お肉売場からこんにちは。精肉部門の中の人です。
「BBQのお肉係を任されたけど、何を、どれだけ買えばいいのかわからない」
そんな経験、ありませんか? 焼肉用のパックは同じカルビでも値段の幅が大きくて、どれを選べばいいのか迷いますよね。でも大丈夫。順番に見ていけば、ちゃんと選べるようになりますよ。
夏になると、家族分のお肉を前に売り場でしばらく悩んでいるお客様をよく見かけます。
先に結論だけ言うと、まず人数から量を決めて、次にカルビ・タン・ホルモンを見た目でチェックし、最後に予算を「主役」と「脇役」に振り分ける。この順番で選ぶと、買いすぎも失敗も減ります。
まず「何グラム買うか」を人数から決める
お肉選びで最初につまずくのが量です。多すぎれば余って冷凍庫行き、少なければ焼いている途中で足りなくなる。でも心配いりません。最初に、人数から必要な量をざっくり出しておけば大丈夫です。
目安は、大人1人あたり200〜300gです。しっかり食べる会なら300g、他の料理(焼きそば・野菜・おにぎりなど)も並ぶなら200gで足ります。子どもは大人の半分、100〜150gで見ておくとちょうどいいくらいです。
会の性格でも変わります。お酒を飲みながらゆっくり話す集まりなら、お肉は少なめでも間が持ちます。逆に食べ盛りが集まるがっつり系なら、1人350gまで見ておくと安心です。
例えば大人4人・子ども2人なら、300g×4+150g×2で1.5kgが目安。ここを先に決めておくと、売り場で「あと何グラム買えばいいか」がわかり、迷いがぐっと減ります。
私が普段品出しをしていても、やはりお客様から「何グラム買えばよいか」というご質問をたくさんいただきます。前述した目安の200〜300gをお伝えし、召し上がるお客様の年齢などに合わせてご案内しています。
カルビ・タン・ホルモンを見た目で見分ける
量が決まったら、次は中身です。焼肉の定番3種を、棚の前で数秒でできるチェックポイントとあわせて見ていきましょう。
カルビ(バラ肉)は、赤身と脂の「層」を見る
カルビはお腹まわりのバラ肉のことです。赤身と脂が層になっているのが特徴で、この層がきれいに交互になっているものを選んでください。焼いたときにおいしく感じます。脂が一か所にかたまって白い部分が広いパックは、焼くと縮んで食べられる量が減るので、そこだけ避ければ大丈夫です。赤身の色は、くすんだ茶色ではなく明るい赤のものを。色の見方の基本は1本目の記事に書いています。
タンは、厚みと色でパックを選ぶ
牛タンは薄いものと厚めのものがあります。薄切りはさっと焼けて手軽、厚切りは食べごたえが出ます。どちらでも、色が全体に淡いピンクでそろっているものを選べば新鮮です。ふちが乾いて色が濃くなっているパックは時間が経っているサインなので、そこだけ気をつけてくださいね。
ホルモンは、ツヤとドリップを確認する
ホルモンは内臓のお肉で、脂の甘みが魅力です。表面にツヤがあり、ぷっくりしているものを選んでください。パックの底に赤い汁(ドリップ)がたまっているものや、においが気になるものは鮮度が落ちているので、避けておくと安心です。ホルモンは特に鮮度が味に出やすいので、買ったその日に焼くのがおすすめですよ。

予算は「主役1品+脇役」で組む
BBQのお肉代がふくらむのは、全部をいいお肉で揃えようとするからです。でも大丈夫。おすすめは、主役を1品だけ決めて、あとは脇役で組む考え方です。
例えば「今日の主役は厚切りタン」と決めたら、そこにはお金をかける。残りは、豚バラや鶏もも、ソーセージといった手ごろな脇役でボリュームを出します。全部を高いお肉にしなくても、主役が1つあれば食卓は華やぎますし、脇役があるぶんお腹も満たされます。
安く量を確保したいときは、豚こま切れも意外と使えます。串に刺したり野菜と炒めたりすれば立派な一品になります。豚こまの当たりパックの選び方は3本目の記事にまとめました。牛肉一辺倒にしないほうが、味にも変化が出て最後まで飽きません。

中の人だから言いたい「焼肉用」表示の意味
最後に、売り場の人間として一つ補足します。「焼肉用」「BBQ用」という表示は、部位の名前ではなく切り方(厚さ)の目安だと考えてください。
焼肉用は、網やフライパンでさっと焼ける厚さに切ってあるという意味です。だから同じ「焼肉用」でも、中身はカルビだったりももだったり肩ロースだったりします。パックを選ぶときは「焼肉用」の文字だけで決めず、その下や横に書いてある部位名まで見てください。脂の多い少ないが予想できます。脂を楽しみたいならバラ系、あっさり食べたいならもも系、という具合です。
ちなみに、焼肉用と表示されていないお肉でも焼肉にできます。おすすめはしゃぶしゃぶ・すき焼き用のお肉です。いわゆる「焼きしゃぶ」のような使い方ができるからです。ご自宅でもホットプレートなどで、しゃぶしゃぶ・すき焼き用のお肉にさっと火を通し、焼肉のタレやポン酢で召し上がってみてください。
なお、部位そのものの細かい使い分けは、それだけで1本書けるテーマなので、また別の記事でじっくり紹介します。
まとめ
今日のポイントをおさらいします。
- 最初に人数から量を決める。大人1人200〜300g、子どもは半分が目安
- カルビは脂の層、タンは色と厚み、ホルモンはツヤとドリップで見分ける
- 予算は主役1品+脇役で組む。全部を高いお肉にしなくていい
お肉選びのコツが少しわかると、お肉係は「面倒な担当」から「ちょっと楽しい役」に変わります。それだけで、夏の食卓はいつもよりごちそうになります。
まずは次のBBQの前に、人数×250gで必要な量をざっくり計算してみてください。それだけで買い物がぐっと楽になります。
(関連記事:スーパーの“当たりのお肉”の見分け方。精肉部門の中の人が教える選び方のコツ3つ/精肉のプロは鶏むね肉をこう選ぶ。しっとり仕上げる下ごしらえ付き/豚こまの“当たりパック”は3秒でわかる。精肉のプロの見分け方)
アイキャッチ・お肉の写真: Paul Hermann, Evan Wise, Lee Milo(Unsplash)


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