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お肉売場からこんにちは。精肉部門の中の人です。
「ふるさと納税でお肉を頼んだら、脂身ばかりの切り落としが山ほど届いた」「写真では立派なステーキだったのに、実物は薄くて小さかった」。そんな失敗談、ネットでよく見かけますよね。読んでしまうと、申し込むのが怖くなります。
でも、怖がらなくて大丈夫です。ああいう失敗のほとんどは、返礼品が悪いのではなく、申し込みページの「見るべき場所」を知らなかっただけなんです。
私は毎日、売場でパックされたお肉を何百と見ています。だから商品ページの表示を見れば、「これはどんな状態で届くか」がだいたい想像できます。この記事では、その見方をそのままお伝えします。
先に結論だけ言うと、見るべきは「総量の多さ」ではなく、内容量の内訳・部位名・産地表記・小分けかどうか、の4か所です。
なぜ「写真と違う」が起きるのか
ガッカリが起きる理由が分かると、ページの見方が変わります。
一番大きい理由は、写真は「一番いい状態」を写していることです。これは返礼品に限らず、お肉の商品写真すべてに言えます。切り落としでも、盛り付ければ赤身の面を上にして並べます。ウソではありませんが、パックの中身が全部あの状態とは限りません。お肉は重ね方や見る角度で印象が変わるので、写真で受けた印象と実物の印象がずれることは、どうしても起こります。
もうひとつは、「切り落とし」「こま切れ」という名前が、中身をあまり保証しないことです。切り落としは、かたまりから切り出したときに出る不定形の部分をまとめたもの。どの部位の、どれくらいの脂身率のものが入るかは、作る側の裁量がかなり大きいんです。だから同じ「切り落とし1kg」でも、届く中身は品物によって全然違います。
つまり「ハズレを引いた」の正体は、運が悪かったのではなく、名前と写真だけで選んで、中身を判断する材料を見ていなかったということ。逆に言えば、見る場所さえ知っていれば、届く前にかなり予想できます。売場でお肉を選ぶときの目線はスーパーの”当たりのお肉”の見分け方にまとめているので、あわせて読んでみてください。
申し込みページで見る4か所
ここからが本題です。ページを開いたら、写真の下の説明文まで必ずスクロールして、この4か所を順番に見てください。

①内容量の内訳(総量ではなく「1パックあたり」を見る)
「合計2kg」ではなく「500g×4パック」のような内訳表記を探してください。
総量しか書いていない品より、内訳まで書いてある品のほうが、送る側が中身に自信を持っている傾向があります。ステーキやスライスなら「何枚入りか」「1枚あたり何gか」まで書いてあると、さらに安心です。「サーロインステーキ 200g×5枚」なら届く姿がそのまま想像できますよね。「サーロイン1kg」だけだと、厚いのが3枚なのか、薄いのが8枚なのか分かりません。
内訳が書いていない品を全部避ける必要はありません。ただ、書いてある品と迷ったら、書いてあるほうを選ぶ。それだけで失敗はぐっと減ります。
②部位名の書き方(どこまで具体的か)
部位名が具体的なほど、中身のブレは小さくなります。
「牛切り落とし」だけの表記より、「牛肩ロース切り落とし」のように部位が明記されているほうが、脂身と赤身のバランスを予想できます。肩ロースなら適度に脂がのった赤身、バラなら脂多め、モモなら赤身中心。部位が書いてあれば、脂身が苦手な人はモモ系を選ぶ、という判断ができるわけです。部位ごとの違いはスーパーの牛肉、カレーに「もも」を買ってはいけない理由で詳しく書いています。
逆に「国産牛 切り落とし」とだけ書いてあって部位の記載がない場合、複数の部位が混ざる前提と考えてください。それが悪いわけではありませんが、「何が届くか分からない」ことは覚悟のうえで選ぶのが正解です。
実は、スーパーの売場で切り落としを作る方法は2種類あります。「切落し材」を使う方法と、他のお肉を切ったときに出る端材で作る方法です。切落し材というのは、お肉の卸業者さんが販売している、切り落としの用途に限ったお肉のこと。複数の部位を混ぜて、切り落としやすいように一つの塊肉にしたものです。この部位の内訳は、納品されるたびに変わります。端材で作る切り落としも同じで、日によって部位が変わるんです。
③産地・加工地の表記
「◯◯県産」なのか「◯◯県で加工」なのかを見分けてください。
たとえば「◯◯町 熟成牛タン」のような品で、原料のお肉は外国産、その町で味付けや加工をしている、というケースがあります。これはルール上まったく問題のない返礼品です。ただ、「その土地で育った牛だ」と思い込んで申し込むと、届いてから表示を見てガッカリすることになります。
説明文の下のほうにある「産地」「原材料」の欄まで見て、育った場所と加工した場所を区別する。国産の牛を期待するなら「◯◯県産黒毛和牛」のように、産地がお肉そのものにかかっている表記を選んでください。外国産のお肉も品質が悪いわけではないので、分かったうえで選ぶ分にはお得な選択肢ですよ。理由は輸入のお肉が安い理由で説明しています。
④冷凍の状態(小分けかどうか)
「小分け」「真空パック」の記載があるかを最後に確認してください。
1kgがひとつの塊で冷凍されて届くと、使うとき全部いっぺんに解凍するしかありません。解凍したお肉の再冷凍は味が落ちるので、結局「頑張って食べ切る」ことになりがちです。250g×4パックのような小分けなら、使う分だけ出せます。
家庭用の冷凍庫で使い切ることを考えると、この項目は量の多さより大事です。総量が少し減っても、小分けの品を選ぶことをおすすめします。届いたあとの扱いは買ってきたお肉、パックのまま保存はダメ?最初の10分が参考になります。
量は「家族の人数と冷凍庫」から逆算する
4か所を見て候補を絞ったら、最後に量を決めます。ここは還元率やお得さではなく、自分の家の冷凍庫から逆算してください。
目安として、切り落とし250gで2〜3人分の炒め物が1回作れます。つまり250g×8パック(2kg)なら、週1回使って約2か月分。4人家族なら1回400g前後と考えると、同じ2kgで5回分です。

ただし、冷凍庫の空きがないのに大容量を頼むと、届いた日に困ります。定期便(毎月少しずつ届くタイプ)という選択肢もありますし、冷凍庫が小さいお家向けの選び方は、それだけで1本書けるテーマなので、今後の記事で詳しくやりますね。
「脂身ばかり」に見える切り落としの、本当のところ
最後に、売場の人間だから言えることをひとつ。
届いた切り落としを見て「脂身ばかりだ」と感じたとき、その何割かは、冷凍で白っぽく見えているだけのことがあります。冷凍したお肉は表面の色がくすんで、赤身の部分まで白っぽく見えるんです。解凍して広げてみたら思ったより赤身があった、というのはよくある話。判断は解凍してからで大丈夫です。
それから、切り落としの脂身は「ハズレ」ではなく、使いようです。脂身がある程度あれば、炒め物のときに引く油を減らせます。切り落としに入っている脂が、油の代わりになるからです。細かい端はひき肉代わりにそぼろや肉味噌にすると、むしろおいしい。売場でも、切り落としはそういう使い方前提でお客様におすすめしています。
それでも「明らかにほぼ脂身だけ」という品に当たってしまったら、それは②の部位表記がない品を選んだときに起こりやすい失敗です。次回から部位名のある品を選べば、同じことはまず起きません。
まとめ:申し込む前に、説明文まで下りる
今日のポイントをおさらいします。
- 総量の大きさではなく、「1パックあたり何g×何個」の内訳を見る
- 部位名が具体的な品ほど、届く中身のブレが小さい
- 「産地」と「加工地」を区別する。欄外の原材料表記まで見る
- 小分け冷凍かどうかは、量の多さより大事
ふるさと納税のお肉は、選び方さえ押さえておけば、食卓が楽しみになる仕組みです。怖がって避けるのはもったいないですよ。
まずは今、気になっている返礼品のページをもう一度開いて、写真の下の説明文までスクロールしてみてください。「内容量」の欄に内訳が書いてあるか。それを確かめるだけでも、選ぶときの迷いはかなり減るはずです。
「まだ見ている返礼品がない」という方は、このあたりから探してみてください。今日の4か所を思い出しながら見ると、同じ「切り落とし1kg」でも中身の書き方がずいぶん違うことに気づくはずです。
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アイキャッチ写真: Toxic Smoker(Unsplash)


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