冷凍庫がパンパン、何から食べる? お肉は「ひき肉→薄切り→塊」の順で使います

冷凍庫のお肉を使う順番の図。1番目 家で冷凍したひき肉(目安約2週間)、2番目 薄切り・こま切れ・鶏肉(約3週間〜1か月)、3番目 厚切り・塊(約1か月)、4番目 未開封の市販冷凍品・返礼品(パッケージの期限を見る) 肉の保存

「冷凍庫を開けたら、ぎっしり詰まっていて奥が見えない。ラップに包んだお肉がいくつも出てくるけど、いつ入れたのか思い出せない」

結局、手前にある新しいお肉から使ってしまい、奥のお肉はさらに眠り続ける。冷凍庫がパンパンの家では、よく起きる流れです。

毎日売り場でお肉を見ていると、お肉は「形」によって、冷凍庫で味が落ちる速さがはっきり違います。その差を知っていれば、使う順番は迷わず決められます。

冷凍庫のお肉は、次の順番で使ってください。

  1. 家で冷凍したひき肉
  2. 家で冷凍した薄切り肉・こま切れ・鶏肉
  3. 家で冷凍した厚切り肉・塊のお肉
  4. 未開封の市販の冷凍品・ふるさと納税の返礼品

いつのか分からないお肉だけは、この一覧の外で先に判定します。

結論:冷凍庫のお肉は「ひき肉→薄切り→塊→市販の冷凍品」の順に使う

冷凍庫の前に立ったら、まずお肉を形で4つのグループに分けてください。袋の外から見るだけで大丈夫です。

家で冷凍したお肉は、どの種類も2週間を目安に食べきってください。そのうえで、2週間のうちに使う順番は次のとおりです。

使う順番 お肉の種類 味の落ちる速さ
1番目 ひき肉 いちばん早い
2番目 薄切り肉・こま切れ・鶏肉 その次に早い
3番目 厚切り肉・塊のお肉 いちばんゆっくり
4番目 未開封の市販冷凍品・返礼品 パッケージの期限を見る

2週間はあくまで「おいしく食べられる目安」です。1日過ぎたら食べられなくなる、という線ではありません。安心してください。ただ、長く置いたものほど味とパサつきの差が大きくなるので、早く使うほど得をします。

同じグループの中で迷ったら、入れた日が古いほうからです。日付が書いていなければ、霜が多くついているほうを先に使ってください。霜が多いのは、長く冷凍庫にいたことのひとつの目安になります。

なぜこの順番? お肉の形で「冷凍での傷みやすさ」が違う

順番を決めているのは、お肉が空気に触れている面の広さです。冷凍庫の中でもお肉は少しずつ乾き、空気に触れた表面から味が落ちていきます。触れる面が広い形ほど、傷みが早く進みます。

ひき肉がいちばん先:空気に触れる面がいちばん広い

ひき肉は、お肉を細かくした状態です。粒のひとつひとつが空気に触れるので、同じ重さでも表面の広さは塊とは比べものになりません。

脂も細かく混ざっているため、脂の酸化(空気で脂が古くなること)も早く進みます。冷凍庫に長くいたひき肉が、古い油のような匂いになりやすいのはこのためです。家で冷凍したひき肉を見つけたら、今週中に使うつもりでいてください。

薄切り肉・鶏肉が2番目:切り口と水分がポイント

薄切り肉やこま切れは、切り口がたくさんある形です。ひき肉ほどではありませんが、1枚1枚の表面が空気に触れやすく、乾燥が進みやすい。

鶏肉は水分が多めのお肉で、冷凍庫で水分が抜けるとパサつきが出やすくなります。中の人としては、鶏肉の中でも特に鶏むね肉が、冷凍にいちばん弱いお肉だと感じています。そのため、鶏肉は薄切りと同じ2番目に入れています。

塊・厚切りが3番目:中まで乾きにくい

ステーキ用の厚切りや、カレー用・煮込み用の塊は、重さのわりに表面が小さい形です。表面が少し乾いても、中は守られています。家で冷凍したお肉の中では、いちばん後回しにしてよいグループです。

とはいえ、冷凍に強いお肉というのはありません。どのお肉も、冷凍庫に入れた日から少しずつ味が落ちていきます。塊は後回しにしてよいだけで、早めに使うに越したことはありません。

市販の冷凍品・返礼品がいちばん最後:そもそも冷凍のされ方が違う

ここは、よく勘違いされるところです。家でラップに包んで冷凍したお肉と、お店で売っている冷凍のお肉や、ふるさと納税で届く冷凍のお肉は、同じ「冷凍肉」でも別物です。

工場で冷凍されるお肉は、空気を抜いた袋(真空パック)に入れて、とても低い温度で一気に凍らせてあることが多い。空気に触れていないうえ、凍るまでの時間が短いので、お肉の傷みが少ない状態で冷凍庫に入っています。パッケージに期限も書いてあるので、いつまでに食べればいいかがはっきりしています。

「真空パックのお肉と、自分で冷凍したお肉、どちらから食べるべき?」と迷ったら、答えは自分で冷凍したほうです。ただし、返礼品でも一度袋を開けて小分けにし直したものは、家で冷凍したお肉と同じ扱いにしてください。開けた時点で空気に触れているからです。

奥から出てきた「いつのか分からない」お肉の扱い

日付の分からないお肉が出てきたら、順番の一覧に入れる前に、まず食べられるかどうかを確かめます。確かめて問題がなければ、どのグループよりも先に使ってください。いつのか分からない時点で、いちばん古い可能性が高いお肉だからです。

入れた時期の手がかりは、次の3つです。

  • スーパーのパックごと冷凍していれば、ラベルの日付を見る
  • 包んでいるラップや袋の種類から、いつごろ使っていたものか思い出す
  • 霜の量と、表面の白っぽい乾き具合を見る

霜や黒ずみがあっても、すぐに捨てる必要はありません。冷凍庫の中では細菌はほとんど増えないので、多くは「味が落ちた」状態です。食べられるかどうかの細かい見分け方は、ふるさと納税のお肉が冷凍焼けしたら?の記事にまとめているので、そちらで確かめてください。

食べられると判断したお肉は、味の濃い料理に回してください。中の人なら、まずカレーにします。シチューやそぼろ、甘辛い炒め物でも、パサつきや風味の落ちが目立ちにくくなります。

もうひとつ大事なことがあります。一度解凍したお肉は、使いきれなくても冷凍庫に戻さないでください。理由は、スーパーの解凍肉は再冷凍していい?の記事で説明しています。

パンパンに戻さないための、入れ方のルール3つ

順番どおりに使いはじめたら、次は冷凍庫をパンパンに戻さない入れ方です。道具を買い足さなくても、次の3つだけで変わります。

1. 袋に「日付と中身」を書いてから入れる

冷凍する前に、袋の上に「9/25 豚こま」のように日付と中身を書いてください。日付さえあれば、この記事の順番の表と照らし合わせるだけで、どれから使うかがすぐ決まります。

2. 薄く平らにして、1回分ずつ凍らせる

お肉は1回分ずつ薄く平らにして冷凍してください。平らにしておくと早く凍り、解凍も早く済みます。凍ったあとは、本のように立てて並べても、重ねて置いてもかまいません。どちらの場合も、古いお肉が手前か上に来るようにしておきます。1回分を何グラムにするかは、お肉の小分け冷凍は何グラム?の記事で目安を紹介しています。

3. 古いお肉が「手前・上」に来るように置く

お店の世界には「先入れ先出し」という言葉があります。先に入れたものから先に出す、という意味です。家の冷凍庫でも、古いお肉ほど手に取りやすい場所に置いておけば、「手前の新しいものから使ってしまう」流れが止まります。

中の人の家では、お肉を置く場所を決めています。冷凍庫の棚が2列なら、右手前がいちばん古いお肉の場所です。そこから左手前、右奥、左奥の順に新しくなっていきます。重ねるときは、古いお肉を上にします。

冷凍庫の棚を上から見た図。右手前がいちばん古いお肉、次に左手前、右奥、左奥がいちばん新しいお肉。重ねるときは古いお肉が上
置く場所を決めておくと、古いお肉から自然に手が伸びます

冷凍庫の形は家ごとに違うので、この並べ方をそのまままねる必要はありません。持ち帰ってほしいのは、「手に取りやすい手前と上に、古いお肉を置く」という決まりだけです。新しく買ってきたお肉は、奥か下に入れてください。

ふるさと納税の返礼品がまとめて届いて入りきらない場合の工夫は、ふるさと納税のお肉が冷凍庫に入らないの記事で紹介しています。

買ってから冷凍して、食べ切るまでの流れをまるごと知りたい方へ。noteに1本でまとめています → 一人暮らしのお肉は「1.5kg・200g・2週間」で回る(有料・冒頭は無料で読めます)

まとめ:今夜は、家で冷凍したひき肉から

冷凍庫のお肉の使う順番を、おさらいします。

  • 家で冷凍したひき肉を最初に使う
  • 次に薄切り肉・こま切れ・鶏肉、その次に厚切り・塊を使う
  • 未開封の市販冷凍品や返礼品は最後でよい
  • いつのか分からないお肉は、先に判定して、食べられるなら最優先で使う

今夜はまず、冷凍庫の引き出しを開けて、家で冷凍したひき肉を探してください。見つかったら、そのまま今夜のそぼろやハンバーグにしてしまいましょう。解凍のしかたに迷ったら、解凍のしかたを残り時間別にまとめた記事が役に立ちます。

冷凍に強いお肉はない、というのが中の人の実感です。だからこそ使う順番を決めておくと、奥で眠ったまま捨てるお肉が減り、冷凍庫にも少しずつすき間が戻ってきます。

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