スーパーの解凍肉は再冷凍していい? 売り場の中の人がすすめない理由と、家での線引き

スーパーの精肉ケースに、ラップをかけた生のお肉が並んでいる 肉の保存

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「特売だったから多めに買ったら、ラベルに『解凍』と書いてあった」「家で冷凍して取っておきたいけど、してもいいのか分からない」。冷凍庫の扉を開けたまま、手が止まったことはありませんか?

「解凍」と書いてあるお肉は、家で生のまま冷凍すると「再冷凍」になります。今日明日で使い切るのがいちばん。余りそうなら、火を通してから冷凍してください。 最初から冷凍して取っておくつもりなら、売り場で「解凍」と書いていないお肉を選ぶのが近道です。

「再冷凍しても問題ない」という説明を見かけることもあります。食べられなくなるわけではない、という意味ではその通りです。ただ、おいしさと安全の「余裕」は確実に減ります。売り場でお客様に聞かれたときも、中の人は再冷凍をおすすめしていません。その理由と家での扱い方を、売り場の側からお話しします。

「解凍」と書いてあるお肉は、並んだ時点で一度解凍されている

冷凍していたお肉を解凍して売るときは、ラベルに「解凍」と表示する決まりがあります。食品表示のルールです。

「解凍」の表示は、たいていは商品名のすぐ横にあります。「解凍品」などの書き方のこともあります。ラベルを見るときは、まず商品名のまわりを探してください。

お肉のパックのラベル図。商品名「豚こま切れ」のすぐ横の「解凍」の文字を赤丸で囲み、ここに解凍とあれば一度解凍済みで、家で冷凍すると再冷凍になると説明している
「解凍」の文字は、商品名のすぐ横を探します

「解凍」と書いてあるお肉は、売り場に並んだ時点で一度凍って、一度解けたお肉です。見た目はほかの生のお肉と変わりません。それでも中身は「解凍が1回済んだ状態」なので、家で冷凍すると2回目、つまり再冷凍になります。

「買ってすぐ冷凍したから大丈夫」と思いがちですが、買ってすぐでも、お肉にとっては2回目です。この1点だけ覚えておいてください。

「解凍品だから質が悪い」という話ではありません。冷凍したお肉を上手に解凍して並べるのは、ふつうのことです。気にするのは、家に帰ってからの扱い方だけ。今日明日で使うなら、安心してカゴに入れてください。

再冷凍がすすめられない理由は「おいしさ」と「安全の余裕」

再冷凍がすすめられない理由は2つあります。

ひとつめは、おいしさが落ちることです。お肉は解凍するたびに、内側から赤い汁(ドリップ)が出ます。ドリップの正体は、お肉のうまみと水分。一度出たぶんは戻りません。冷凍と解凍を2回くり返せば、ドリップも2回出ます。焼いたときにパサついたり、味がぼやけたりするのはこのためです。ドリップについてはパックの赤い汁の正体で詳しく書いています。

ふたつめは、安全の余裕が減ることです。冷凍しても、お肉の表面についている菌がいなくなるとは言えません。解凍しているあいだや常温に置いているあいだに、菌は増えるおそれがあります。解凍と冷凍をくり返すと、その「増えるかもしれない時間」を2回ぶん重ねることになります。

誤解のないように言うと、再冷凍したお肉が「絶対に食べられない」わけではありません。ただ、おいしさも安全の余裕も、1回目の冷凍より確実に少なくなります。わざわざ減らす必要はない、というのが中の人の考えです。

「解凍」表示のお肉を買ったら、家でやることは3つ

ここからは、「解凍」と書いたお肉を持って帰ってきた前提でお話しします。

「解凍」表示のお肉を買ったあとの行き先の図。今日明日で使うなら冷蔵庫で使い切る、余りそうなら火を通してから冷凍、冷凍して取っておきたいなら次から解凍表示のないお肉を選ぶ
迷ったら、生のまま冷凍し直さないのが基本です

その1:今日明日で使うなら、冷蔵庫に入れてそのまま使い切る

いちばんおすすめなのは、冷凍せずに使い切ることです。「解凍」表示のお肉は、買った当日から消費期限までのあいだに使う前提のお肉だと考えてください。献立に困ったら、今夜と明日の2回に分けて使う、くらいの気持ちで大丈夫です。

パックに「再冷凍しないでください」と書いてある場合は、その表示に従ってください。消費期限も、パッケージの表示がいちばん確かです。

その2:余りそうなら、火を通してから冷凍する

使い切れそうにないときは、生のまま冷凍せず、火を通してから冷凍します。これがいちばん安全で、おいしさも残るやり方です。

加熱してから冷凍すれば、菌の心配がぐっと減ります。味つけまで済ませておけば、あとは温めるだけ。平日の夕飯が一品ラクになるおまけもつきます。たとえば、次のような形です。

  • 豚こま・切り落としは、しょうが焼きや炒め物にしてから冷凍する
  • 鶏むね肉・もも肉は、下ゆでしてほぐしてから冷凍する
  • ひき肉は、そぼろにしてから冷凍する
  • 角切りやブロックは、煮込みにしてから冷凍する

加熱したものは、粗熱を取ってから1食分ずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍してください。温かいまま入れると、まわりの冷凍品まで解けてしまいます。

1食分をどのくらいの量にするか迷ったら、お肉の小分け冷凍は何グラムずつ? 人数別の早見表を目安にしてください。

ラップと保存袋は、スーパーで買える定番のもので十分です。私が家で使っているのは、NEWクレラップとジップロックのフリーザーバッグです。

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その3:ひき肉だけは、迷わず早めに

ひき肉は、ほかのお肉より傷みやすいお肉です。細かくひいてあるぶん、空気や菌に触れる面が広いからです。

「解凍」と書いたひき肉は、買った日のうちに火を通すくらいのつもりでいてください。使う予定が決まっていなければ、帰ってすぐそぼろにしてしまうのが安心です。

もし冷蔵庫以外で解凍したお肉なら

これはスーパーの解凍品に限らず、家で解凍したお肉にも当てはまる話です。

冷蔵庫の中でゆっくり解凍したお肉なら、再冷凍そのものはできます。ただし、味と食感は落ちます。一方で、常温・流水・電子レンジで解凍したお肉は、生のまま冷凍し直さないでください。流水や電子レンジで解凍したものは、すぐに中心までしっかり火を通してから冷凍してください。ただし、常温に長く置いたものや、置いた時間が分からないものは、火を通しても安全にはなりません。食べずに処分してください。

家での解凍のしかたは、お肉の解凍、残り時間で選ぶ方法にまとめています。

冷凍して取っておきたい日は、売り場での選び方を変える

特売でまとめ買いして冷凍しておきたい日は、売り場で見るところをひとつ増やしてください。ラベルの「解凍」の文字です。

売り場では、お客様から「解凍って書いてあるけど、冷凍していい?」と聞かれることがあります。そのときは、一度解凍されたお肉を冷凍し直すと傷みやすくなることをお伝えして、おすすめはしていません。中の人自身も、余りそうだと分かっている日は、そもそも「解凍」表示のお肉を買いません。

棚の前に立ったら、まずラベルをちらっと見てください。商品名のまわりやラベルに「解凍」「解凍品」などの表示がないかを確かめて、見当たらなくて迷うときは、売り場の人に一度凍らせたお肉かどうか聞いてみてください。冷凍のまま売っているお肉を選ぶのも手で、持ち帰ってそのまま冷凍庫へ入れれば済みます。

「解凍」と書いてあるお肉は今日明日の献立用、書いていないお肉は冷凍して取っておく用。売り場でこう分けて買えば、家で冷凍庫の前で迷わずに済みます。

生のお肉を買って冷凍するときは、1回分ずつ小分けにしておくと、解凍のたびに全部を出さずに済みます。分ける量の目安はお肉の小分け冷凍、何グラムで分ける?で、冷凍焼けを防ぐ包み方はふるさと納税のお肉の冷凍焼けで紹介しています。

買ってから冷凍して、食べ切るまでの流れをまるごと知りたい方へ。noteに1本でまとめています → 一人暮らしのお肉は「1.5kg・200g・2週間」で回る(有料・冒頭は無料で読めます)

まとめ:次の買い物では、ラベルの「解凍」を見る

  • 「解凍」と書いてあるお肉は、並んだ時点で一度解凍済み。家で冷凍すると再冷凍になる
  • 再冷凍で減るのは、おいしさと安全の余裕。食べられなくなるわけではないが、わざわざ減らさない
  • 今日明日で使い切るのがいちばん。余りそうなら、火を通してから冷凍する
  • 冷凍して取っておくなら、最初から「解凍」表示のないお肉を選ぶ

次の買い物では、カゴに入れる前に、商品名の横の「解凍」の2文字を探してみてください。見つけるだけで、特売のまとめ買いがずっとラクになります。

ふるさと納税で大きな塊が届いて、小分けにするために解凍し直すか迷ったときは、ふるさと納税のお肉が塊で届いたときの小分けし直し方を見てみてください。

アイキャッチの写真:engin akyurt / Unsplash

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