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お肉売り場からこんにちは。精肉部門の中の人です。
「ふるさと納税の鶏むね肉が、2kgまるごとひと塊で届いた」「小分けにしたいけど、いったん全部解凍して、また凍らせていいのか分からない」。届いた箱を開けて、そのまま冷凍庫の前で固まった経験はありませんか?
先に結論だけ言うと、全部は解凍しなくて大丈夫です。冷蔵庫でゆっくり半解凍にして、包丁やキッチンばさみが入る固さになったら切り分け、すぐ冷凍し直す。これが、味を落とさずに小分けにする方法です。
カチカチの塊は、切れる固さまで戻してから切る。この順番さえ守れば、家の台所でもむずかしくありません。
全部解凍しなくていい。半解凍で切り分けるのが正解
全部解凍してから分け直すのは、いちばんもったいないやり方です。理由は「ドリップ」と「けが」の2つ。
お肉を全部解凍すると、内側から赤い汁(ドリップ)が出ます。ドリップは、お肉のうまみと水分そのものです。出てしまったぶんは戻りません。そのあと冷凍し直すと、もう一度解凍したときにまたドリップが出て、食感がパサついてきます。冷蔵庫でゆっくり解凍したお肉なら再冷凍そのものはできますが、味と食感は落ちます。「絶対にダメ」ではなく「おいしくなくなる」。だから避けたい、という話です。
逆に、カチカチのまま包丁を入れるのは、けがのもとです。凍ったお肉は硬くて、刃が食い込まずに横へ滑ります。家庭の包丁で無理に切るのはやめてください。力を入れた瞬間に刃が逃げて、手を切ります。
だから、真ん中を取ります。外側が少しやわらかくなり、中心はまだ凍っている「半解凍」の状態。この状態なら、包丁もキッチンばさみも入りやすく、ドリップも出にくい。半解凍のうちに冷凍し直せば、全部解凍してから分けるより、ずっといい状態で保存できます。
半解凍から冷凍し直すまでの手順
ここからは、台所で実際に手を動かす順番でお話しします。

手順1:冷凍庫から冷蔵庫へ移して、待つ
届いた塊は、袋のまま冷蔵庫の下段に移してください。常温に出して急がせないのがコツです。常温だと外側だけが先に解けて、そこからドリップが出はじめます。
時間の目安は、2kgの塊で半日から1日ほど(一般的な目安です)。朝に移して夜に見る、夜に移して翌朝に見る、くらいのつもりでいてください。
手順2:「外はやわらかく、中は凍っている」で止める
見きわめの合図は、指で押して表面が少しへこむこと。私の実感でも、目安はこれひとつでいちばん確かです。押してへこむけれど、中心はまだ固くて、包丁の刃先が半分くらいまでしか入らない。これが切りどきです。
ここで待ちすぎないでください。中心までやわらかくなったら、それはもう「全部解凍」です。ドリップが出はじめる前に、次の手順へ進みます。
手順3:包丁かキッチンばさみで切り分ける
まな板の下に、ぬらして固くしぼったふきんを敷いてください。凍ったお肉は重くて滑るので、まな板が動かないようにするだけで、けがの心配がぐっと減ります。
切るときは、包丁を押し込むのではなく、刃を手前に引きながら切ります。刃が入りにくい場所があれば、そこはまだ凍っています。無理せず、切れる場所から切ってください。分ける大きさは、1回の料理で使う量が目安です。人数別に何グラムずつがいいかは、お肉の小分け冷凍、何グラムで分ける? 人数別の早見表にまとめてあるので、そちらを見ながら決めてください。
手順4:ラップで包んで、平らにして冷凍する
切り分けたら、1回分ずつラップでぴったり包みます。空気が入ると霜がついて乾くので、お肉の表面に押しつけるように包んでください。ラップで包んだものを冷凍用の保存袋に入れ、できるだけ薄く平らにして冷凍庫へ。金属のトレーやアルミホイルの上に置くと、早く凍ります。
ここまでを、半解凍になってから1時間以内に終えるつもりでいてください。切り分けの途中でお肉が常温に置かれる時間を、なるべく短くするためです。
お肉の種類で違うところ
流れは同じですが、お肉の種類で「どこで分けるか」が変わります。

鶏むね肉・鶏もも肉は、1枚ずつの境目で分けます。 2kgの塊でも、中身は1枚ずつが重なって凍っています。半解凍になると、その境目が手でわかるようになるので、境目にキッチンばさみの先を入れて、はがすように切り離してください。1枚が大きければ、そこからさらに半分に切ります。
豚こま・切り落としは、板を割るように分けます。 薄い切り身が重なって板になっているので、1枚ずつはがす必要はありません。半解凍で、板を手で割るか、包丁で板ごと切ります。1回分ずつの厚さに割れれば、それで十分です。
ブロックは、半解凍の見きわめがいちばん大事です。 厚みがあるぶん芯がなかなか解けず、外だけやわらかくなっても中心はしばらく凍ったままです。4種類のなかで、いちばん注意してほしいのがこのブロック。外側が指で押せるようになったら、使う厚さに切ります。中心が固くて刃が止まる場合は、もう30分ほど冷蔵庫に置いてから、もう一度試してください。
ひき肉は、分けたらすぐに冷凍します。 ひき肉は空気に触れる面が広いので、ほかのお肉より早く傷みます。半解凍で板状に割れるなら割って、割れないなら、迷わず次の章の「加熱してから冷凍」に切りかえてください。ひき肉だけは、半解凍で長く迷わないほうが安心です。
もう全部解凍してしまったときは
「この記事を読む前に、全部解凍してしまった」という方もいると思います。大丈夫、まだ手はあります。
まず、どこで解凍したかで分かれます。冷蔵庫の中で解凍したお肉なら、ドリップをキッチンペーパーで拭き取って、小分けにして冷凍し直せます。ただし、先ほどお話ししたとおり、味と食感は落ちてしまいます。一方で、常温に長く置いて解凍したお肉は、冷凍し直さないでください。傷みが進んでいる可能性があります。においや色、ぬめりに少しでも違和感があれば、もったいなくても食べないのが安心です。
冷蔵庫で解凍したお肉のおすすめは、加熱して料理にしてから冷凍することです。生のまま冷凍し直すよりも、味が落ちにくく、あとで使うときの手間も減ります。
- 鶏むね肉は、まとめてゆでてほぐし、小分けにして冷凍する(サラダやスープの具にそのまま使える)
- 豚こま・切り落としは、しょうが焼きやそぼろ風に炒めてから、1食分ずつ冷凍する
- ひき肉は、そぼろにするか、ハンバーグのたねにして焼いてから冷凍する
- ブロックは、ゆで豚やチャーシューにして、切り分けて冷凍する
加熱したものは、粗熱を取ってからラップと保存袋で冷凍してください。温かいまま入れると、まわりの食材まで解けてしまいます。
すぐ食べるぶんは、冷凍せずに冷蔵で。冷蔵で持たせるには、買ってきたお肉の保存で書いた「家に着いてからの10分」と同じやり方が使えます。
次に頼むときは「小分け」の表記を見る
今回の手間を次で繰り返さないために、返礼品ページで見る場所をひとつだけ。「内容量」の欄です。
「2kg」とだけ書いてある品は、ひと塊で届く可能性があります。「250g×8」のように内訳が書いてあれば、小分けで届きます。「真空パック」とだけ書いてある品は、1袋が2kgの塊ということもあるので、内訳の数字まで確かめてください。
たとえば、岩手県産の若鶏むね肉のこの返礼品は、内容量に「250g入×12P」と書いてあります。合計は3kgでも、届くのは250gずつの袋です。今回のように、届いてから塊を切り分ける手間はかかりません。
▶ 楽天ふるさと納税で「岩手県産 若鶏むね肉 250g×12P」を見る
冷凍庫に入るかどうかも、この「形」で決まります。詳しくはふるさと納税のお肉が冷凍庫に入らない。原因は「量」ではなく「形」ですで、部位名や産地の見方はふるさと納税のお肉、失敗しない選び方。プロが見る4か所でまとめています。
まとめ:今日は冷蔵庫に移すだけでいい
ポイントをおさらいします。
- 全部解凍しない。冷蔵庫で「外はやわらかく、中は凍っている」まで戻す
- カチカチのまま包丁を入れない。切れる固さになってから、ふきんを敷いたまな板で切る
- 切り分けたら1時間以内にラップと保存袋で平らに冷凍する
- 全部解凍してしまったら、加熱して料理にしてから冷凍する
塊で届いたお肉は、分け直せば「使いやすい小分け」に変わります。分けてしまえば、平日の夕方に1袋だけ出して、そのまま夕飯に使えます。
今日やることは、ひとつだけ。届いた塊を冷凍庫から冷蔵庫の下段に移してください。半日か1日後、指で押して表面がへこんだら、この記事の手順3から始めればいいだけです。小分けにしたお肉の解凍のしかたは、冷凍肉の解凍、時間で選ぶ方法でまとめています。


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