ふるさと納税の冷凍ステーキ、焼き方を調べる前に「厚み」を見てください

ふるさと納税の冷凍ステーキ、焼き方を調べる前に「厚み」を見てください 肉の選び方

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お肉売り場からこんにちは。精肉部門の中の人です。

「ふるさと納税で頼んだステーキが届いた。焼き方を調べたら、『強火で30秒』『片面2分』と書いてあることがバラバラで、どれを信じればいいのか分からない」。そんな経験、ありませんか?

じつはあれ、あなたが下手なのではありません。ネットの焼き方は、それぞれ違う厚みのお肉の話をしているだけなんです。

売り場ではステーキ用のお肉を、機械ではなく包丁で1枚ずつ手切りしています。包丁を入れていると分かるのですが、同じ部位でも厚みが変わると、扱いは別のお肉と言っていいほど変わります。

先に結論だけ言うと、焼き方を調べる前に、手元のお肉の厚みを見てください。厚みさえ分かれば、解凍するかどうかも、火の入れ方も、自動的に決まります。

冷凍ステーキで失敗するのは、焼き方ではなく「厚みを見ていない」から

焼き方の記事を3つ読むと、3通りの秒数が出てきます。強火で30秒と書いてある人もいれば、片面3分と書いてある人もいる。誰かが間違っているのではなく、書いている人の手元にあったお肉の厚みが違うだけです。

1cmのお肉を片面3分焼けば、中まで火が通りきって硬くなります。逆に3cmのお肉を強火で30秒ずつ焼いても、中は冷たいまま。過去に「いいお肉なのに硬くなった」という経験があるなら、原因はたぶん腕ではなく、薄いお肉に、厚いお肉向けの焼き方を当ててしまったこと。だから焼き方の正解を探すのをやめて、先に厚みを見る習慣をつけましょう。

買う前の話はスーパーのステーキ肉の選び方。硬いのは厚みが原因でしたに書きましたが、届いてしまったあとも、見るところは同じ「厚み」です。

厚みは3つに分けて考える(1cm前後/1.5〜2cm/3cm以上)

箱を開けたら、まず1枚を手に取って、横から厚みを見てください。ものさしがなくても、指で挟めば見当はつきます。人差し指の幅が、おおよそ1.5cmくらいです。厚みはざっくり3つに分ければ十分です。

ステーキの厚みは3つに分けて考える。1cm前後・1.5〜2cm・3cm以上
ステーキの厚みは3つに分けて考える。1cm前後・1.5〜2cm・3cm以上
厚み 向いている食べ方 火の入れ方の考え方 やってはいけないこと
1cm前後 薄切りステーキ、ごはんにのせる、切って野菜と合わせる 表面に焼き色がついた時点でほぼ完成 じっくり焼く、両面を長く焼く
1.5〜2cm いわゆる「ステーキ」。1枚をそのまま主役に 表面を焼いたあと、火を弱めて中まで時間をかける 強火のまま押しつぶす
3cm以上 切り分けて家族で分ける、ごちそう用 中心に火が届くまで時間をかける。焼いたあと休ませる 焼き上がりをすぐ切る、表面の色だけで判断する

表の中身を、順番に補足します。

1cm前後のお肉は、火を入れすぎないことがすべてです。 薄いお肉は表面に焼き色がつく頃には、中まで火が回っています。だから両面をさっと焼いて、すぐ火から下ろすくらいでちょうどいい。「ステーキなんだからしっかり焼かないと」と思うと、硬くなります。薄いのはハズレではなく、ごはんにのせたり野菜と合わせたり、気軽に使える厚みです。

1.5〜2cmは、いちばん「ステーキらしく」焼ける厚みです。 表面に焼き色をつけて香ばしさを出したあと、火を弱めて中まで時間をかける。表面と中心の温度差がちょうどよく、家庭のフライパンでいちばん扱いやすい範囲です。

3cm以上は、時間との勝負ではなく「待つ」勝負になります。 表面が焼けても中心は冷たいので、火を弱めてじっくり、あるいは一度火から外して余熱で中心まで温めます。焼き上がってすぐ切ると肉汁が流れ出るので、数分休ませてから切る。厚いお肉ほど「焼く時間」より「休ませる時間」が大事です。

参考までに、売り場でステーキ用を切るときの厚みをお伝えします。部位によって変えています。

  • サーロイン … 1.5cm
  • ヒレ … 2cm
  • 肩ロース・その他 … 1〜1.5cm

ヒレだけ厚いのには理由があります。ヒレは脂が少ない部位なので、薄く切るとパサつきやすい。厚みがあったほうが焼いたときに失敗しにくく、見栄えもよくなります。別注(お客様からのご注文)でも、ヒレは厚めをご希望の方がほとんどです。

どれも表の「1.5〜2cm」に重なる数字です。売り場に並ぶステーキ用も、返礼品のステーキも、だいたいこの範囲に入っていることが多い。届いたお肉がここに入っていたら、まず心配いりません。

売り場でいちばん聞かれるのは、やっぱり焼き方

ステーキ用を買っていかれるお客様に、いちばんよく聞かれるのが焼き方です。売り場ではこうお伝えしています。

  1. 焼く前に常温に戻しておく
  2. 塩をお肉の重さの1%ふって、5分ほど置く
  3. 浮いてきた水分をふき取る
  4. 中火で焼き、両面に焼き色がついたら、最後に強火で両面にもう一度焼き色をつける
  5. お皿に移して休ませ、余熱で中まで火を通す

塩の量は、200gのお肉なら2g。小さじ3分の1くらいです。ふってすぐ焼かずに5分置くのは、表面に水分を浮かせてふき取るため。水気が残っていると、焼き色がつく前に蒸れてしまいます。

ただし、この手順は上で書いた1.5〜2cmが前提です。厚みが違えば読み替えてください。1cm前後なら最後の強火は省いて、焼き色がついた時点で火から下ろす。3cm以上なら中火の時間も、休ませる時間も長めにとる。覚えておくのは秒数ではなく、「薄いものは火を入れすぎない」「厚いものは中心まで時間をかけ、最後は余熱」という考え方です。これさえ持っていれば、どのレシピを読んでも自分のお肉に合わせて読み替えられます。

解凍するか、凍ったまま焼くか。これも厚みで決まる

冷凍で届いたステーキを前にして、次に迷うのが「解凍してから焼くのか、凍ったまま焼いていいのか」。これも厚みで決まります。

薄いお肉(1cm前後)は、解凍してから焼いてください。 凍ったまま焼くと、表面が焼けきる頃に中はまだ凍っていて、さらに焼き続けるうちに表面が硬くなります。薄いお肉は火が通るのが早いぶん、凍っている時間の差がそのまま焼きムラになるんです。冷蔵庫に移して半日から一晩、これがいちばん失敗しません。

厚いお肉(3cm以上)は、凍ったままでも意外と大丈夫です。 表面と中心の距離があるので、表面を焼いているあいだに中心がゆっくり解けていきます。表面を焼いてから弱火に落とし、時間をかけて中心まで温める焼き方なら、凍ったままから始めても筋道は同じです。

中間の1.5〜2cmは、解凍してから焼くのが安全です。 凍ったままでもできなくはないですが、家庭のフライパンでは火加減の調整が難しくなります。

解凍のやり方そのものは、残り時間で選ぶ方法をお肉の解凍、忘れた日でも間に合います。残り時間で選ぶ解凍のしかたにまとめています。どの方法で解凍しても、焼く前に表面の水気をふき取るのは、前の章の手順と同じです。

返礼品を頼むときに、厚みをどう読むか

ここまでは「届いてから」の話でした。最後に、これから頼む人に向けて、申し込みページで厚みを読む方法をお伝えします。

返礼品のページには、厚みが書いていないことがほとんどです。「サーロインステーキ 1kg」とだけ書いてあって、厚いのが3枚なのか薄いのが8枚なのかは分からない。でも、総グラム数と枚数が書いてあれば、1枚あたりの重さから見当はつきます。総グラム数を枚数で割るだけです。「1kg(200g×5枚)」なら1枚200g。「1kg(8枚入り)」なら1枚125g。1枚あたりが軽いほど、薄い可能性が高くなります。

ただし、ここは正直にお伝えしておきます。1枚の重さだけで厚みを言い当てることはできません。 同じサーロインでも、牛によって断面の大きさがまるで違うからです。断面が大きい牛なら、薄く切っても1枚が重くなる。断面が小さければ、厚く切っても1枚は軽い。売り場で包丁を入れていても、重さだけを聞いて厚みを当てるのは無理です。

同じ「1枚200g」でも、断面の大きさによって厚みは変わる
同じ「1枚200g」でも、断面の大きさによって厚みは変わる

ですから、この計算は「厚みが分かる魔法の式」ではなく、候補を絞るための第一歩として使ってください。1枚125gと1枚250gが並んでいたら、後者のほうが厚い可能性は高い。その程度の精度です。

いちばん確実なのは、厚みが書いてある品を選ぶことです。「厚切り」「2cmカット」のように明記している返礼品はあります。書いていないものが多いからこそ、書いてある品は親切な出品だと思ってください。記載がなければ、商品写真で断面が写っているものを探す。それも無ければ、1枚あたりの重さで見当をつける。この順番です。

売り場の感覚で言うと、ステーキとして焼くなら1.5cm以上が目安です。1.5cmを下回ると「火を入れすぎない」に気をつかう厚みになるので、厚いステーキを期待して頼むとガッカリしてしまいます。かといって、厚ければいいわけでもありません。3cmを超えると、外は焼けているのに中は冷たい、という失敗が起きやすくなります。焼き慣れていないなら、1.5〜2cmに収まる品を選ぶほうが失敗が少なく、おいしく食べられます。

実例をひとつ挙げます。松阪牛の厚切りサーロインステーキのこの返礼品は、cmの数字こそ書いていませんが、商品ページには、通常の150gで切ると少し薄くなるため、ハーフサイズにして2倍の厚さで切っている、と説明があります。1枚の重さは同じくらいでも、断面を小さくして厚みを出しているわけです。上でお伝えした「重さだけでは厚みは決まらない」が、そのまま書いてある例です。

楽天ふるさと納税で「松阪牛 厚切りサーロインステーキ」を見る

厚み以外の見方、たとえば内容量の内訳・部位名・産地の読み方は、ふるさと納税のお肉、失敗しない選び方。プロが見る4か所にまとめています。それから、厚いステーキは1枚が大きいぶん冷凍庫の場所も取ります。ふるさと納税のお肉が冷凍庫に入らない。原因は「量」ではなく「形」ですも合わせて読んでみてください。

まとめ:箱を開けたら、まず1枚の厚みを見る

今日のポイントをおさらいします。

  • ネットの焼き方がバラバラなのは、違う厚みのお肉の話をしているから
  • 厚みは「1cm前後・1.5〜2cm・3cm以上」の3つに分けて考える。売り場のステーキ用は1.5〜2cm(ヒレは2cm)
  • 薄いお肉は解凍してから、厚いお肉は凍ったままでも焼ける
  • 焼き方は「塩1%・5分置く・水分をふく・最後は余熱」。厚みに合わせて読み替える
  • 頼む前は「総グラム数 ÷ 枚数」で候補を絞る。ただし重さだけで厚みは決まらない。厚みが書いてある品がいちばん確実

いいお肉が届いたときほど、焼き方を検索したくなります。でも、検索する前に見るのは、画面ではなく手元のお肉です。箱を開けて、まず1枚を横から見てください。1cmなのか、2cmなのか、3cmなのか。それが分かった時点で、解凍するかどうかも、火の入れ方も、もう決まっています。

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