お肉の消費期限、1日過ぎたら食べられない? 売り場の中の人の答えと、捨てないための段取り

お肉の消費期限、1日過ぎたら食べられない? 売り場の中の人の答えと、捨てないための段取り 肉の保存

「冷蔵庫を開けたら、豚こまの消費期限が昨日だった。1日くらいなら大丈夫かな……捨てるのはもったいないし」

お肉の消費期限は「安全に食べられる期限」です。1日でも過ぎたら、食べないでください。

お客様から「消費期限を1日過ぎたけど、食べられる?」と聞かれたら、私は正直に「食べられません」とお答えします。あの期限は、お店が責任を持って表示しているものだからです。

ただ、捨てるしかないお肉は、次から減らせます。方法は2つ。期限が来る前に冷凍することと、期限の近いお肉から献立を決めることです。

消費期限は「安全の期限」、賞味期限は「おいしさの目安」です

食品の期限表示には、消費期限と賞味期限の2種類があります。名前は似ていますが、意味はまったく違います。

この2つの違いは、売り場でもお客様からよく聞かれます。私の答えはいつも同じで、「消費期限は、過ぎたら本当に食べてはいけない期限。賞味期限は、おいしさを保証する期限です」とお伝えしています。

消費期限が付いているのは、お弁当やサンドイッチ、生のお肉のような傷みやすい食品です。消費者庁も、消費期限を過ぎたら食べないほうがよいと説明しています。

賞味期限は、スナック菓子や缶詰のように、比較的日持ちする食品に付いています。過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではなく、味や香りが少しずつ落ちていく、という意味です。

精肉売り場に並ぶ冷蔵のお肉やひき肉には、ほとんどの場合、消費期限が付いています。ハムやベーコンのような加工品には賞味期限が付いていることが多いので、同じお肉の仲間でも別物と考えてください。パックのラベルに「消費期限」と書いてあったら、それは「おいしさ」ではなく「安全」の期限です。

消費期限は「安全」、賞味期限は「おいしさ」の期限です
消費期限は「安全」、賞味期限は「おいしさ」の期限です

1日過ぎたお肉を食べないほうがいい理由

「1日くらいなら、においをかいで大丈夫そうなら平気でしょう?」と考えたくなる気持ちは、よく分かります。見た目もいつもと変わらないと、なおさらです。

それでも食べないでほしい理由は、食中毒の原因になる菌が増えていても、においや見た目が変わるとは限らないからです。鼻や目で「大丈夫そう」と感じても、安全の裏付けにはなりません。においや見た目は、食べるかどうかの判断に使わないでください。

もうひとつ知っておいてほしいのは、消費期限には前提があることです。ラベルの期限は「開けていない状態で、表示どおりの保存方法を守った場合」の日付です。たとえば次のような場合は、期限の日付より早く傷んでいきます。

  • パックを開けて、一部だけ使った
  • 買い物のあと、車の中や台所に長く置いていた
  • 冷蔵庫の扉付近など、温度が上がりやすい場所に入れていた

つまり、期限内だからといって安心しきるのも危ないんです。開けたお肉は期限にかかわらず早めに使い切る、と覚えておいてください。

「もう過ぎちゃったから捨てた」という方、それで正解です。もったいないと感じるのは、食べ物を大事にしている証拠。自分を責める必要はまったくありません。その「もったいない」を、次の買い物からの段取りに回しましょう。

期限前に冷凍すれば、お肉は捨てずにすみます

ここからが、捨てないための段取りです。いちばん効くのは冷凍。私も家では、期限が近いお肉は冷凍しています。

冷凍で大事なのは、期限が来る前に冷凍庫へ入れることです。期限を過ぎてから冷凍しても、安全な状態に戻るわけではありません。冷凍はお肉の時間をゆっくりにする方法で、傷んだものを元に戻す方法ではないからです。

いちばんの理想は、買ってきたその日に小分けして冷凍することです。台所に立ったら、次の順番で進めてみてください。

  1. 使う日が決まっていないお肉は、パックから出す
  2. 1回で使う量ずつ、ラップで平らに包む
  3. 冷凍用の保存袋に入れて、空気を抜いて口を閉じる
  4. 袋にペンで「お肉の種類」と「冷凍した日」を書いて冷凍庫へ
買った日に小分け冷凍。この4ステップで
買った日に小分け冷凍。この4ステップで

私はお肉を冷凍するとき、できるだけ平たくしています。使う日に解かす手間を少しでも減らしたいからです。平らなお肉は早く凍り、使うときも早く解けます。

→ お肉の小分け冷凍、何グラムで分ける? 人数別の早見表

冷凍したお肉はいつまでに食べればいいのか。これも売り場でよく聞かれる質問です。私は「2週間ほどで食べてください」とお伝えしています。この2週間は安全の期限ではなく、おいしく食べてもらうための私なりの目安です。冷凍したお肉は、2週間を過ぎると味がかなり落ちると感じています。袋に冷凍した日を書いておけば、冷凍庫の奥で忘れられることも減ります。

使うときは、前の晩に冷蔵庫へ移して、ゆっくり解かすのがおすすめです。台所に出しっぱなしで解かすと、表面から温度が上がって傷みやすくなります。解かしたお肉は、その日のうちに使い切ってください。

→ お肉の解凍、忘れた日でも間に合います。残り時間で選ぶ解凍のしかた

→ スーパーの解凍肉は再冷凍していい? 売り場の中の人がすすめない理由

献立は「期限の近いお肉から」決めます

冷凍と並んでもうひとつの段取りが、献立の決め方です。私は期限が近づいてきたお肉を、優先して献立に使うようにしています。

中でもいちばん多いのが、お鍋です。期限が近いお肉は、とにかくお鍋にします。豚こまでも鶏ももでもひき肉でも、お鍋ならどのお肉でも使えるので、献立に迷いません。

→ 鍋に入れるお肉はどれ?豚・鶏のおすすめ部位と1人前は何グラムか

コツは、献立を「何を食べたいか」より先に「冷蔵庫の何を使うか」から考えることです。冷蔵庫を開けたら、まずお肉のパックのラベルだけ見てください。期限がいちばん近いものが、今夜か明日の主役です。

買い物のしかたも、少し変えると楽になります。

  • 冷蔵庫に置くお肉は、2〜3日で使い切れる量までにする
  • 特売でまとめ買いした日は、その日のうちに半分を冷凍する
  • 冷蔵庫のお肉は、期限の近いものを手前に置く

手前に置くだけでも、「奥から期限切れのパックが出てきた」はぐっと減ります。冷蔵庫の中を、お店の棚のように「先に使うものが前」に並べるイメージです。

買ってから冷凍して、食べ切るまでの流れをまるごと知りたい方へ。noteに1本でまとめています → 一人暮らしのお肉は「1.5kg・200g・2週間」で回る(有料・冒頭は無料で読めます)

まとめ:過ぎたら食べない。期限前に冷凍か献立で使い切る

  • お肉の消費期限は「安全に食べられる期限」。1日でも過ぎたら食べない
  • 期限は未開封で保存方法を守った場合の日付。開けたら期限に関係なく早めに使い切る
  • 捨てないコツは、期限前の冷凍と、期限の近いお肉から献立を決めること

期限の意味が分かると、「食べていいのかな」と冷蔵庫の前で迷う時間がなくなります。そのぶん、買ったお肉を最後までおいしく食べ切れるようになります。

まずは今日、冷蔵庫を開けてお肉のラベルを見てください。明日までに使う予定のないパックがあったら、1回分ずつラップで包んで、冷凍庫へ移しておきましょう。

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