「この白いの、これって無料なの?」
精肉売り場に立っていると、お客様からいちばんよく聞かれるのがこの質問です。牛肉コーナーの近くに置いてある、小さな白いかたまり。あれは牛脂(ぎゅうし)といって、牛の脂です。
答えは、無料で置いている店なら、牛肉を買うときに1〜2個もらって大丈夫です。牛脂は牛肉を買う人への「おまけ」なので、気後れせずに手に取ってください。
牛脂はなぜ無料なの?
牛脂が無料なのは、牛肉を切り分けるときに出る脂を使っているからです。
牛肉は大きなかたまりから切り分けてステーキや焼肉用のお肉にします。そのとき、まわりについている脂を切り落とします。この脂を小さくまとめて、1個ずつ袋に入れたものが牛脂です。
店に並ぶ牛脂の多くは、はじめから袋に入った状態で届きます。スーパーによっては、店の作業場で切り落とした脂を袋詰めして置いているところもあります。どちらの場合も、中身が牛肉の脂であることに変わりはありません。
もともと牛肉の一部なので、牛肉を買ってくれた人に「一緒に使ってください」とお渡ししている、というのが牛脂の立ち位置です。お店のおまけと思ってもらえれば、いちばん近いです。
ただし、どの店でも無料とは限りません。牛脂に値段をつけて売っている店もありますし、そもそも置いていない店もあります。値札がついていたら有料、何もついていなければ無料のことが多いので、迷ったら次の章のとおり売り場の人に聞いてみてください。
牛脂があると、和牛がよく売れる気がする
ここからは中の人の実感の話です。牛脂を切らしていると、お客様から「牛脂ないの?」と本当によく聞かれます。それだけ、牛脂を楽しみにしている人が多いということです。
そして、牛脂が置いてあるほうが、和牛はよく売れると感じています。数えたわけではなく、売り場に立っていての肌感覚です。牛脂を使うと牛肉が香りよく焼けるので、「牛脂があるなら今日はいいお肉にしようか」と思うお客様がいるのかもしれません。
牛脂は売り場のどこにある?もらっていいの?
牛脂は、牛肉コーナーの近くに小袋で置かれていることが多いです。お客様によく聞かれる質問の2つ目が、この「どこにあるの?」です。
探すなら、牛肉の棚の端から
売り場に着いたら、まず牛肉のパックが並んでいる棚の前に立ってください。棚の端や、ステーキ・焼肉用のパックのそばに、小さなかごやトレーが置いてありませんか。中に白いかたまりの小袋がいくつも入っていたら、それが牛脂です。
冷蔵の棚の中に置いている店もあれば、棚の上の段にかごで置いている店もあります。見つからなくても心配いりません。売り場で品出しをしている人に「牛脂ってありますか?」と聞いてください。牛脂の置き場所は店ごとに違うので、聞くのがいちばんの近道です。中の人も「牛脂どこ?」と聞かれたら、売り場まで一緒に出て案内しています。聞かれて困ることは何もないので、遠慮なく声をかけてください。
もらう数は、牛肉を買うときに1〜2個が目安
牛脂をもらうのは、牛肉を買うときです。1回の焼肉やすき焼きなら、1〜2個あれば足ります。
牛脂は牛肉を買う人のために用意しているものなので、牛肉を買わずにたくさん持ち帰るのは控えてもらえるとうれしいです。とはいえ、1〜2個もらうのに気を使う必要はありません。ほかのお客様の分が残るくらい、と思っていただければ十分です。

牛脂の使い方|焼肉・ステーキ・すき焼き
牛脂の使い方はひとつだけ覚えれば大丈夫です。お肉を入れる前に、熱したフライパンや鍋で牛脂を溶かし、脂を全体になじませてください。
サラダ油の代わりに牛脂を使うと、牛の脂の香りが加わって、牛肉のうまみが濃く感じられます。安い牛肉でも、焼いたときの香りが一段よくなるのがうれしいところです。
焼肉・ステーキのとき
フライパンかホットプレートを中火で温め、牛脂を1個のせます。トングかお箸で牛脂をつまんで、フライパンの上をすべらせるように動かしてください。
脂が溶けて、底全体がうっすら光ってきたら準備完了です。そこにお肉を並べて焼きます。牛脂のかたまりは、小さくなっていればフライパンの端に寄せて一緒に焼いておいてかまいません。
ステーキ用のお肉の選び方は、こちらにまとめています。
スーパーのステーキ肉の選び方。硬いのは焼き方ではなく、厚みが原因です
すき焼きのとき
すき焼きは、牛脂の出番がいちばんわかりやすい料理です。鍋を中火で温めて牛脂を溶かし、まず牛肉を1〜2枚だけ広げて焼きます。お肉の色が変わったら割り下(すき焼きのたれ)を入れ、ねぎや豆腐を加えていきます。
最初に牛脂で牛肉を焼いておくと、鍋全体に牛の香りが移ります。割り下だけで煮るより、味にコクが出ます。食べ進めて鍋の底が乾いてきたら、牛脂をもう一度お箸ですべらせてから、次のお肉を入れてください。
すき焼きのお肉選びと量は、こちらの記事が参考になります。
すき焼きは国産牛の切り落としで十分。安いお肉でおいしくする、売り場での選び方
すき焼きのお肉は何グラム? 1人前100〜150gで計算、人数別の早見表つき
中の人は家で焼肉・ステーキ・すき焼きをするとき、1回に1個使っています。1回分なら1個で足りるので、2個目は、たくさん焼く日や、すき焼きで途中に脂を足したい日のための予備と考えてください。前の章の「1〜2個」は、この予備まで含めた数です。

余った牛脂の保存方法
もらった牛脂を使わなかったときは、冷蔵庫に入れて数日のうちに使ってください。すぐに使う予定がないなら、冷凍するのがおすすめです。冷蔵するときは、もらった小袋ごと保存袋に入れておくと、ほかの食品に脂のにおいが移りにくくなります。
冷凍のしかたは簡単です。牛脂を1個ずつラップで包み、冷凍用の保存袋にまとめて入れて、冷凍庫へ。1個ずつ包んでおくと、使う分だけ取り出せます。家で冷凍したときの目安は2週間です。保存袋に冷凍した日付を書いておくと、使い忘れを防げます。
使うときは、解凍しなくてかまいません。凍ったままフライパンにのせ、弱火でゆっくり溶かしてください。脂が溶けて全体になじんだら、火を中火に上げてお肉を焼き始めます。
まとめ|牛脂は気後れせずに1〜2個もらおう
牛脂は、牛肉を切り分けるときに出る脂を小さく固めた、牛肉を買う人への「おまけ」です。
- 無料で置いている店なら、牛肉を買うときに1〜2個もらってOK
- 場所は牛肉コーナーの近く。見つからなければ売り場の人に聞く
- 使うときは、お肉を焼く前にフライパンや鍋で溶かしてなじませる
- 余ったら1個ずつラップして冷凍し、2週間を目安に使い切る
いつもの焼肉やすき焼きが、牛脂ひとつで香りよく仕上がります。次に牛肉を買うときは、棚の端に牛脂がないか探して、1個カゴに入れてみてください。

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