お肉売り場からこんにちは。精肉部門の中の人です。
「特売で豚こまを1kg買った。小分けにして冷凍したけど、いざ使うと1包みじゃ足りなくて2つ出す。逆に半端に余った1包みが、冷凍庫の奥でずっと寝ている」
そんな経験、ありませんか?
じつはあれ、包み方ではなく「分けるサイズ」を決めていないことが原因です。せっかく100gあたりの単価を見て安く買ったのに、分け方で損をしてはもったいない話です。
毎日売り場で1人前・2人前のパックを組んでいますが、パックの重さは「この量なら一度の食事で使い切れる」という食べる量から逆算して決まっています。この考え方を家の冷凍庫に持ち込むと、分け方で迷わなくなります。
先に結論だけ言うと、小分けの基準は「1回の料理で使い切る量」です。家族の人数と料理から、あなたの家の「1包み=何グラム」を1つ決めてしまえば、あとは機械的に分けるだけ。そのグラム数の決め方を、早見表つきでお話しします。
小分けの基準は「1回で使い切る量」
小分け冷凍で一番大事なのは、包み方よりも「1包みを何グラムにするか」です。理由は単純で、冷凍したお肉は一度解凍したら使い切るのが基本だから。1包みが多すぎると余りが出て、少なすぎると2包み出すことになり、どちらも解凍の手間がふえます。
売り場のパックも同じ発想で組まれています。参考までに、うちの売り場でよく出る豚こまは300〜400gのパックで、ほかのお店に比べると大容量のほうだと思います。同じ豚こまでも、ブランドの国産豚になると200〜300gと、ひとまわり小さくなります。
ここで気づいてほしいのは、豚こまに「正解の重さ」があるわけではない、ということです。パックの重さは、それを買う人が何人で、何回で食べきるかを見て決まっている。だから売り場のパックを、そのまま家の基準にはできません。決め方は同じでも、数字は家の人数から出します。決めるのは次の2つだけ。
- いつも何人分を作るか
- そのお肉でよく作る料理は何か
この2つが決まれば、グラム数は自然に出ます。次の表を見てください。
人数別・お肉の種類別の早見表
1人分の目安は、薄切りやひき肉なら100g、厚切りなら1枚です。売り場のパックもおおむねこの単位で組まれています。
| 家族の人数 | 薄切り・こま切れ(豚こま・切り落とし) | ひき肉 | 厚切り・かたまり(鶏むね肉・とんかつ用) |
|---|---|---|---|
| 1人分 | 100g | 100g | 1枚(100〜150g) |
| 2人分 | 200g | 200〜250g | 2枚 |
| 3〜4人分 | 300〜400g | 300〜400g | 3〜4枚 |
※1人分100gは「おかずの主役にする場合」の目安です。野菜たっぷりの炒め物や、お肉が脇役の料理なら、1人分70〜80gでも足ります。

表を見て「うちは2人だから豚こまは200g」と決められたら、もうこの記事の半分は終わりです。次は、その決め方を1kgの豚こまに当てはめてみます。
実際に1kgを分けてみる(豚こまの場合)
買ってきた豚こま1kgを、2人家族の例で分けてみます。
買ってきたら、まず水気を拭くところまでは済ませておいてください。ここから先が分ける作業です。
最初に、キッチンにはかりを出してください。目分量で分けると、毎回サイズがばらつきます。最初の数回だけはかりを使えば手が覚えるので、次からは目分量でも大きく外れません。
トレーからお肉を取り出したら、ラップの上に200gずつ乗せていきます。1kgなら5包みできます。ここで「200gが4つと、半端の200g弱が1つ」になっても大丈夫。半端の包みは、次に買ったお肉と合わせて使えば無駄になりません。
分けたら、それぞれを手のひらで押して平らにします。厚みは1cmくらいまで。平らだと凍るのが早く、解凍も早いからです。厚みのある団子状で凍らせると、外側だけ解凍されて中が凍ったまま、という状態になりやすい。ただ、団子状にしてしまっても味が悪くなるわけではありません。解凍に少し時間がかかるだけなので、すぐ使うぶんには問題ないですよ。
包み方は、ここでは確認だけにします。ラップで包んだら空気を抜くように密着させて、あとは保存袋に入れる。この2段構えで、冷凍庫のにおい移りと乾燥をおさえられます。
平らにした包みに、油性ペンで「豚こま 200g 日付」と書いておくと、冷凍庫の中で迷いません。特に日付は忘れがちですが、書いておけば古い順に使えます。

ひき肉と厚切りは、分け方が少しちがう
ひき肉は薄切りより固まりやすいので、平らにしたあとに菜箸で「格子の筋」をつけておきます。凍ったあとにパキッと折れるので、「今日はハンバーグ2人分だけ」というときに必要な量だけ使えます。200gの包みに筋を4分割で入れておけば、50g単位で取り出せて便利です。
鶏むね肉やとんかつ用のような厚切りは、1枚ずつ包むのが基本です。2枚まとめて包むと、くっついたまま凍って1枚だけ取り出せなくなります。1枚ずつ包んでから、まとめて1つの保存袋に入れれば、袋は1つで済みます。
かたまり肉は、買ってきた時点で「使う料理の大きさ」に切ってから冷凍します。カレー用なら角切り、しょうが焼きなら薄切り。凍ったあとに切るのは硬くて大変なので、ここだけは冷凍前に済ませてください。
【補足】ラップ以外の分け方と、続けるコツ
ここまではラップを前提に話しました。私自身も小分けにはラップを使っていて、お肉の保存グッズをまとめた記事で紹介したものから変えていません。ただ、ラップを使わない選択肢もあります。
一番手軽なのは、小分けサイズのジッパー付き保存袋に直接入れる方法です。袋の中で平らにならして空気を抜けば、ラップと同じように使えます。ラップを巻く手間がないぶん早く、袋に直接ペンで書けるのも便利です。
もう1つは、ふた付きの保存容器です。ひき肉のように形が崩れやすいお肉は、容器に入れて平らにならすとサイズがそろいます。容器は洗って何度も使えるので、ラップや袋のゴミが気になる人に向いています。ただ、容器はかさばるので、冷凍庫の広さと相談してください。
どの方法でも「1包み=決めたグラム数」は変えないのがコツです。道具が変わっても、サイズ設計が同じなら使い勝手は変わりません。
最後に、続けるためのコツを1つだけ。買ってきたその日のうちに分けてください。「明日やろう」と冷蔵室に入れたままにすると、2〜3日たって結局そのまま調理する、というのが一番よくあるパターンです。冷蔵で2〜3日たっても食べるぶんには問題ないので心配はいりませんが、せっかくのまとめ買いが冷凍に回らないのはもったいない。帰宅後、荷物を片づける流れで分けてしまうのが一番ラクです。
まとめ
今日のポイントをおさらいします。
- 小分けの基準は「1回の料理で使い切る量」。包み方より先にサイズを決める
- 目安は薄切り・ひき肉なら1人100g、厚切りなら1人1枚。人数をかけて1包みの重さを決める
- 分けたら平らにして、日付とグラム数を書く。半端が出ても次に買ったぶんと合わせれば無駄にならない
自分の家の「1包み=何グラム」が決まると、まとめ買いが本当の意味で得になります。解凍の手間が減って、平日の夕方に「今日は何を出そう」と迷う時間も短くなる。冷凍庫が、そのまま自分専用のお肉売り場になるイメージです。
まずは、今日買ってきたお肉を「うちは何人分だから何グラム」と1つ決めて、はかりの上に乗せてみてください。1回決めれば、次からは迷いません。
分けたお肉をどう解凍するかは、残り時間で選ぶ解凍のしかたにまとめてあります。小分けにしておくと、この解凍がぐっとラクになりますよ。


コメント