もつ鍋のもつ、スーパーで何を買う? 小腸とシマチョウの選び方と1人前の量

もつ鍋のもつ、スーパーで何を買う? 小腸とシマチョウの選び方と1人前の量 肉の選び方

お肉売り場からこんにちは。精肉部門の中の人です。

「今日はもつ鍋にしよう」と決めて売り場に来たのに、もつのパックの前で手が止まる。「小腸」「シマチョウ」「ミックス」と書いたパックが並んでいて、どれを鍋に入れるのが正解か分からない。そのまま鍋に入れていいのか、下茹でがいるのか。4人分なら何グラム買えばいいのか。そんな経験はありませんか。

じつはもつ鍋のもつは、通販の専門店セットと、スーパーの売り場のパックとで、選び方がまるで違います。専門店の話は「どの部位を選ぶか」ですが、スーパーで見るのは「パックの表示と状態」です。

毎日売り場でお肉を見ていますが、もつのパックは解凍品で、ほぼ凍った状態のまま棚に並んでいることが多いです。だから牛肉のように色や張りで選ぶのではなく、ラベルに書いてあることを読むのがいちばん確かです。

先に結論だけ言うと、部位は牛の小腸かシマチョウ(どちらでも失敗しません)、ラベルは「加熱用」か「ボイル済み」かを確認、量は大人1人あたり100〜150グラムが目安です。この3つを決めて棚の前に立てば、1パックを迷わず選べます。

もつ鍋のもつは、売り場で「部位・加熱の表示・パックの状態」の3つを見ます
もつ鍋のもつは、売り場で「部位・加熱の表示・パックの状態」の3つを見ます

もつ鍋に入れる牛もつは、小腸かシマチョウ

スーパーの売り場に並ぶもつは、牛が多いです。豚もつも並びますが、もつ鍋の定番は牛。ラベルに「牛小腸」「牛シマチョウ」「牛もつミックス」とあれば、もつ鍋用として間違いありません。

小腸は細い管の形で、内側に脂がたっぷりついています。焼肉店で「マルチョウ」「コプチャン」と呼ぶのも同じ小腸です。噛むとぷりっとして、脂の甘みがスープに溶け出すので、「もつ鍋らしい味」がいちばん出ます。初めて家で作るなら、小腸を選んでおけば安心です。

シマチョウは大腸のこと。小腸より太くて平たく、表面にしま模様が入っています。脂は小腸より少なめで、そのぶん噛みごたえがあります。「脂が多いと重い」「あっさり食べたい」という方には、シマチョウが向いています。

「ミックス」は、小腸と大腸のほかに、ハチノスやセンマイといった胃の部位が入っていることがあります。いろいろな食感を楽しめる反面、部位ごとに火の通り方が違います。慣れないうちは、小腸かシマチョウの単品パックのほうが失敗しません。

小腸(マルチョウ)とシマチョウ(大腸)の違い
小腸(マルチョウ)とシマチョウ(大腸)の違い

豚もつは安くて手に入りやすいですが、牛より脂が少なく、もつ鍋にすると少し物足りなく感じることがあります。もつ鍋のコクは牛の脂のコクなので、この記事では牛を前提に話を進めます。豚もつは煮込みや炒め物で活躍するお肉なので、避ける必要はありません。

もつ以外の鍋のお肉、たとえば豚バラや鶏ももの部位と1人前の量は、鍋のお肉のおすすめ部位と1人前の量の記事にまとめてあります。

パックのどこを見るか。売り場での見分け方

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。もつの棚の前に立ったら、お肉の色を見る前にラベルを読んでください。凍ったパックは、牛肉のように色では見分けられません。

見る順番は3つです。

1つ目は、部位の名前。 「小腸」「シマチョウ(大腸)」「ミックス」のどれか。上で書いた好みで選んでください。ここは一目で済みます。

2つ目は、加熱の表示。 ここがいちばん大事です。「加熱用」「生」「ボイル済み」「湯通し済み」と、パックによって書き方が違います。売り場の牛もつで多いのは「加熱用」で、下茹でしてあるものばかりではありません。「ボイル済み」なら、すでに一度茹でてあるので、鍋に入れて煮るだけで食べられます。「加熱用」や「生」なら、家で火を通す前提のお肉です。どちらの表示でも、鍋の中で中までしっかり火を通してください。もつは厚い部分と薄い部分が混ざっているので、ぐつぐつ煮立ってから数分待つと安心です。

3つ目は、パックの状態と期限。 凍っていても、見るところはあります。精肉部門の中の人が見ているのは、次の3点です。

  • パックの底にたまった汁の量。解凍が進んで赤い汁が多くたまっているものより、汁の少ないものを選びます
  • 脂の色。白いものを選びます
  • 消費期限と「解凍品」の表示。期限までに使いきれる日付かを確かめます

汁の少ない、凍ったままのパックを買って帰り、家の冷蔵庫で解凍すれば、持ち帰りの間も安心です。

もう1つ、見落としやすいのが内容量の書き方です。「もつ鍋用」と書いたパックには、スープや薬味がセットになっていることがあります。ラベルの内容量が「もつだけの重さ」なのか「スープ込みの重さ」なのかで、入っているもつの量がずいぶん違います。100グラムあたりの値段を見比べるときも、ここを揃えてから比べてください。100グラムあたりの見方は、お肉を100gあたりで見る記事に書いています。

原産地の欄も、値段の差が気になったら見てください。国産と輸入の牛もつが並んでいることがあり、輸入のほうが安いのは、品質が悪いからとは限りません。育て方や運ぶ仕組みの違いも値段に出ています。くわしくは輸入のお肉が安い理由の記事にまとめました。

量は大人1人100〜150グラムが目安

もつ鍋のもつは、大人1人あたり100〜150グラムを目安にしてください。牛もつは脂が多く、煮ると脂がスープに溶け出すので、見た目より少し軽くなります。もつが主役の鍋なら150グラム、キャベツとニラをたっぷり入れてあっさり食べるなら100グラムで足ります。

人数ごとの目安を表にしました。パックのラベルにあるグラム数を見て、この数字に近くなるように、1パックか2パックを手に取ってください。

人数 野菜多めであっさり もつが主役の日
2人 200g前後 300g前後
3〜4人 300〜400g 450〜600g
5〜6人 500〜600g 750〜900g

「多いかな」と迷ったら、少し多めを選んでください。もつ鍋は締めに麺やごはんを入れて楽しめるので、少し多めでも食べきりやすい鍋です。

買ってからの扱い。解凍と加熱で失敗しない

売り場で凍ったまま買ったもつは、帰ったらすぐ冷蔵庫へ入れてください。使うまで冷蔵庫の中でゆっくり解凍して、ラベルの消費期限内に使いきるのが、いちばん失敗がありません。買ってきてからの最初の動きは、買ってきたお肉、最初の10分の記事に書いています。

当日の夕方に「解凍を忘れていた」と気づいたときの選び方は、解凍を忘れたときの記事を見てください。

解凍できたら、パックの表示に従って鍋へ。「ボイル済み」なら煮立ったスープにそのまま入れて煮ます。「加熱用」なら、中までしっかり火を通すことだけ守ってください。表面が白く縮んで、ぐつぐつ煮立った状態で数分。もつは火が通りすぎてかたくなる心配より、火が足りない心配のほうが大きいお肉です。

下茹でをするかどうかは、パックの表示で決めてください。「ボイル済み」なら下茹でなしで問題ありません。「加熱用」でも、鍋の中で十分に煮れば火は通りますが、脂が多すぎると感じたら、さっと湯通ししてから鍋に入れると、スープが重くなりません。

一度解凍したもつを再び冷凍するかどうかは、ラベルに「解凍品」「再冷凍しないでください」の表示がないかを確認してから決めてください。表示がある場合は、使う分だけ買うのが安心です。

まとめ

今日のポイントをおさらいします。

  • 部位は牛の小腸かシマチョウ。初めてなら小腸、あっさり派はシマチョウ
  • パックは色より「ラベル」を読む。部位・加熱の表示・パックの状態(汁・脂の色・期限)の順に見る
  • 量は大人1人100〜150グラム。迷ったら少し多め
  • 家では冷蔵庫でゆっくり解凍して、中までしっかり火を通す

もつ鍋は、専門店で食べるものと思われがちですが、スーパーのパック1つと、キャベツとニラがあれば家で十分においしくできます。

次にもつの棚の前に立ったら、まずラベルの「部位」と「加熱の表示」を読んでみてください。それから人数ぶんのグラム数に近いパックを手に取る。それだけで、今日のもつ鍋のもつは決まります。

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