お肉売り場からこんにちは。精肉部門の中の人です。
「今日は角煮にしよう」と決めて売り場に来たのに、豚バラブロックのパックはどれも同じに見える。とりあえず手前の1本を取って帰ったら、煮上がりが脂だらけで、家族のお箸があまり進まなかった。
そんな経験、ありませんか?
じつはあれ、パックを選ぶ段階でかなり防げます。売り場で豚バラブロックを見るとき、私が確かめているところは2か所だけです。
先に結論だけ言うと、「赤身と脂の層の入り方」と「脂の分厚さ」を見て、脂のほうが多いものを避ける。脂の厚みは、層の中の脂と表面の脂の両方を見ます。これだけで、角煮もチャーシューもハズレをぐっと減らせます。何グラム買えばいいかの目安も、あとで書きますね。

角煮用の豚バラブロック、スーパーの売り場で見るのは2か所だけ
豚バラは「三枚肉」とも呼ばれるお肉です。赤身と脂が交互に重なって、断面がしま模様になっています。角煮のとろっとした口当たりは脂から、噛んだときの食べごたえは赤身から生まれるので、この2つのバランスが仕上がりを決めます。
だから売り場で見るのは、そのバランスが分かる2か所だけで十分です。
見るところ1: 赤身と脂の層の入り方
棚の前に立ったら、まずパックを横から見て、しま模様を確かめてください。赤身の層と脂の層が、きれいに交互に重なっているものが合格です。赤身の層がはっきり見えていれば、迷わずカゴに入れて大丈夫ですよ。
避けてほしいのは、赤身と脂の割合で、脂のほうが多いもの。パック全体が白っぽく見えたり、赤身の層が細くて途中で途切れていたりするものです。これが私の思う「ハズレ」で、煮上がると脂ばかりになって、食べ進めるのがつらくなります。
とはいえ、脂の多い豚バラも悪いお肉ではありません。下ゆでで脂を落とせば角煮にできますし、薄く切って炒め物にすれば脂の甘みがごちそうになります。「買ってしまった」ときも、捨てる必要はないので安心してください。
見るところ2: 脂の分厚さ
見るところ1では、赤身と脂がどう並んでいるかを見ました。次は、その脂の1本1本がどれくらい太いかです。
脂の厚みは、2か所で見ます。ひとつは、しま模様の中に入っている脂の層の太さ。もうひとつは、ブロックの片側にまとまってついている、白い表面の脂の厚さです。しま模様の入り方が同じように見える2本でも、脂の1本1本が太いほうは、煮たあとに残る脂が多くなります。赤身の層と脂の層が同じくらいの太さで並んでいれば、心配いりません。
なかでも、表面の脂が分厚いものは、私はあまりおすすめしません。表面の脂は層の中の脂と違って赤身と混ざっていないので、煮てもそのまま脂のかたまりとして残りやすいからです。同じ棚に何本か並んでいたら、パックの端を見て、表面の白い部分の厚みを見比べてください。
赤身の層がはっきり見えて、層の中の脂も表面の脂も薄めのもの。それが角煮にちょうどいい1本です。この2か所がそろっていれば、あとは値段とグラム数で決めて問題ありません。

角煮とチャーシューで、選ぶお肉は変わる?
角煮は豚バラが定番です。とろっとした脂と赤身の食べごたえが両方ほしい料理なので、しま模様のはっきりした豚バラブロックがいちばん向いています。
チャーシューは、豚バラと肩ロースのどちらでも作れます。売り場で「チャーシューを作りたい」というお客様には、私は肩ロースをすすめることがあります。理由は、肩ロースの赤身にコクがあること。そして、シンプルに柔らかくておいしいことです。
肩ロースは豚バラより赤身が多く、脂は赤身の中にほどよく散っている程度です(豚バラと肩ロースの違いは豚のロース・バラ・肩ロースの違いでも書いています)。だから薄く切って食べるチャーシューにすると、脂っぽさは控えめなのに、赤身のコクがちゃんと出ます。「角煮は好きだけど、チャーシューは脂っぽくないほうがいい」というご家庭なら、肩ロースのブロックを一度試してみてください。お弁当やサンドイッチに入れても食べやすいです。
もちろん、豚バラのチャーシューがだめなわけではありません。脂の甘みが強くて、ラーメン屋さんで出てくるようなとろっとした仕上がりになります。こってり系が好きなご家庭なら、迷わず豚バラで作ってください。選ぶときの見方は、角煮用とまったく同じです。
肩ロースを選ぶときも、見るところは豚バラと同じです。赤身の中に脂がほどよく散っているか、表面の脂が厚すぎないか。この2点を見れば、ハズレは避けられます。
何グラム買う? 煮ると縮むことを忘れずに
ここは私が売り場でお客様に案内している数字ではなく、一般的な目安としてお伝えします。角煮なら1人あたり150〜200グラム、4人家族なら600〜800グラム前後になります。
ただしこの数字は、生の状態の重さです。豚バラは煮ると水分と脂が抜けて、見た目でわかるくらい縮みます。「1人150グラムあれば十分」と思って買うと、煮上がりは思ったより小さくなるので、迷ったら少し多めを選んでください。余った角煮は翌日のほうが味がしみて、ご飯やうどんにのせても喜ばれます。生のブロックを買いすぎたときは、使う分だけ残して冷凍してください。分け方は小分け冷凍は何グラムで書いています。
チャーシューは薄く切って食べるので、角煮より少なめでも足ります。ラーメンのトッピングやお弁当用なら、1本で数日分になります。
ブロックの形も、少しだけ気にしてください。厚みがそろっていて四角に近いものは、切り分けたときに大きさがそろい、火の通りもそろいやすくなります。同じ重さなら、形の整ったほうを選ぶと扱いやすいです。
パックに貼ってあるラベルには、必ず重さが書いてあります。値段を比べるときは、100gあたりの値段で見ると迷いません。1本で足りなければ2本買う、多すぎるなら小さめの1本を探す。売り場では、ラベルの重さと、さっきの「層の入り方」「脂の厚み」の3つを見れば決まります。

まとめ: 次の買い物でやること
今日のポイントをおさらいします。
- 豚バラブロックは「赤身と脂の層の入り方」と「脂の分厚さ」の2か所を見る
- 脂の厚みは層の中と表面の両方を見る。表面の脂が分厚いものはおすすめしない
- 角煮は豚バラが定番。チャーシューは肩ロースも柔らかくておいしい
- 量は一般的な目安で1人150〜200グラム。煮ると縮む分を少し多めに
同じ値段の豚バラブロックでも、1本を選ぶ目があるだけで、煮上がりの満足度は変わります。家族に「今日の角煮、おいしいね」と言ってもらえる確率を上げる、いちばん簡単な方法です。
まずは次の買い物で、豚バラブロックのパックを横から見て、しま模様と表面の脂を2本だけ見比べてみてください。それだけで、どちらを選べばいいかが見えてきますよ。

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