豚しゃぶの部位はどれがおすすめ? 売り場の中の人は「豚バラ」と答えます

豚しゃぶの部位はどれがおすすめ? 売り場の中の人は「豚バラ」と答えます 豚肉

「今夜は豚しゃぶにしよう」と決めて売り場に来たら、しゃぶしゃぶ用や薄切りのパックが、バラ、ロース、肩ロース、ももと何種類も並んでいる。どれを買えばいいのかわからないし、前に家で作ったときはお肉が固くなってしまった。そんなふうに棚の前で手が止まったこと、ありませんか?

迷ったら豚バラを1パック選んでください。脂が気になる日は、ロースか肩ロースが代わりになります。そして固くしないコツは、お湯をぐらぐら煮立たせないことです。

じつは「しゃぶしゃぶ用」は部位の名前ではなく、薄さの呼び名です。同じ「しゃぶしゃぶ用」のラベルでも、部位が違えば食感も脂の量もまるで変わります。

豚しゃぶの部位、中の人の答えは「豚バラ」です

売り場でお客様から「しゃぶしゃぶは、どの部位がいいの?」と聞かれたら、私は「豚バラです」と答えています。そして「脂が甘いので、しゃぶしゃぶすると余分な脂も落ちて、おいしいですよ」とひとこと添えます。

豚バラをすすめる理由は、この甘い脂です。豚バラは赤身と脂が交互に重なった部位で、薄切りをお湯にくぐらせると、脂がとろっとやわらかくなります。脂のおかげで赤身だけの部位より口当たりがやわらかく、うまみも濃く感じられます。

「豚バラは脂っこくて重いのでは」と心配な方もいると思います。「余分な脂も落ちて」とお伝えしているのは、薄切りをお湯にくぐらせると、脂の一部がお湯に溶け出すからです。鍋の表面に浮いた脂をおたまですくえば、さらに軽く食べられますよ。

家で豚しゃぶをするときも、私は豚バラです。きのこと豆腐を一緒に入れて、たれはポン酢だけ。それでも物足りなくならないのは、豚バラの脂がおいしいからです。

バラ・肩ロース・ロース・ももの違い

しゃぶしゃぶ用や薄切りでよく並ぶ4つの部位を、食感と脂の量で比べました。

部位 食感 脂の量 向く食べ方
バラ やわらかく、とろっとする 多い 温かい鍋で脂を味わう
肩ロース ほどよい歯ごたえとコク 中くらい 温かい鍋でコクを味わう
ロース きめが細かく、あっさり 外側に脂の帯がある 脂を控えたい日の鍋
もも さっぱりした赤身 少ない 冷しゃぶ

脂が気になる日の代わりは、ロースか肩ロースです。ロースは脂が外側に帯のようについているので、気になる日はお箸で外して食べられます。肩ロースは赤身の中に脂が細かく入っていて、豚バラより軽く、ももより固くなりにくい。豚バラと赤身の部位の、ちょうど間にいる部位です。

値段の目安は、バラと肩ロースが手頃で、ロースはやや上です。ロースと肩ロースの見分け方は、こちらで詳しく書いています。

→ 豚肉の部位ガイド:ロースと肩ロースの違い

ももは脂が少ないぶん、温かい鍋だと固く感じやすい部位です。ももやヒレは、ゆでたあと冷やして食べる冷しゃぶにすると、さっぱりおいしく食べられます。冷しゃぶの話は、夏の豚肉の記事にまとめました。

→ 夏の冷しゃぶに向く豚肉(もも・ヒレ)の選び方

しゃぶしゃぶ用、4つの部位の違い
しゃぶしゃぶ用、4つの部位の違い

ここで、ラベルの「しゃぶしゃぶ用」についてもうひとつ。私の店では、しゃぶしゃぶ用はスライサー(お肉を薄く切る機械)を0.5〜1ミリくらいに設定して切っています。すき焼き用は1〜1.5ミリなので、しゃぶしゃぶ用のほうがひと回り薄い。お湯にくぐらせて、短い時間で火が通るための薄さです。

すき焼き用としゃぶしゃぶ用の違いは、こちらの記事で比べています。

→ すき焼き用としゃぶしゃぶ用の違い

鍋に入れるお肉の部位と、人数ぶんの量の目安はこちらです。

→ 鍋に向くお肉の部位と、1人あたりの量

豚しゃぶを固くしないゆで方は3つ

豚しゃぶが固くなるいちばんの原因は、ぐらぐら煮立ったお湯でお肉を泳がせすぎることです。お肉は強い火で長く加熱するほど縮んで、水分が抜けていきます。

コツは3つあります。

1. お湯が沸いたら、火を弱める

お湯が沸いたら火を弱めて、鍋の底から小さな泡がふつふつ上がるくらいにします。ぐらぐらのお湯にお肉を入れると、表面が一気に縮みやすいからです。

2. 1枚ずつ広げて入れる

パックから1枚ずつはがし、お箸で広げてからお湯に入れます。何枚も重ねたまま入れると、重なった内側だけ火が通りにくくなります。内側を待つあいだに外側が煮えすぎて、結局固くなってしまうんです。

3. 色が変わったら引き上げる

お湯の中で赤みが消えて、全体の色が白っぽく変わり、中まで火が通ったら引き上げます。引き上げたら、ピンクの部分が残っていないかを目で確かめてください。

ここは大事なところなので、はっきり書きます。豚肉は必ず中まで火を通して食べてください。厚生労働省の「家庭での食中毒予防」では、お肉の中心部を75℃で1分間以上加熱するのが目安とされています。

心配しなくて大丈夫です。火を弱めるのは、生っぽく仕上げるためではありません。火を通しすぎて縮ませないためです。しゃぶしゃぶ用は薄いので、ふつふつのお湯でもピンクが消えるまで待つのに長くはかかりません。もしピンクが残っていたら、もう一度お湯に戻してください。

豚しゃぶを固くしないゆで方
豚しゃぶを固くしないゆで方

まとめ:次の買い物は、まず豚バラを1パック

  • 迷ったら豚バラ。脂が甘く、口当たりがやわらかい
  • 脂が気になる日はロースか肩ロース。ももは冷しゃぶ向き
  • お湯は沸いたら火を弱め、1枚ずつ広げて入れ、ピンクが消えて中まで火が通ったら引き上げる

部位と火加減の2つが決まれば、いつもの豚しゃぶがやわらかく仕上がります。

次の買い物では、しゃぶしゃぶ用の棚の前で、まず豚バラのパックを1つ手に取ってみてください。脂が気になる日は、隣のロースか肩ロースへ。家に帰ったら、お湯を沸かして火を弱めるところから始めましょう。

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大きいパックを買った日から食べ切る日までの流れを、1本にまとめました。「何グラムずつ」「どう包む」「いつ・どう解かす」「霜がついたらどうする」まで入っています。冷蔵庫に貼れるチェックシート付き。

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この記事を書いた人
29labo

スーパーの精肉部門で働いています。毎日売り場でお肉を見て、切って、並べています。いつものスーパー・いつもの予算で、ちょっとおいしいお肉を選ぶコツを書いています。
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