手羽元と手羽先の違いは? 煮るなら手羽元・焼くなら手羽先。売り場でのパックの選び方も

手羽元と手羽先の違いは? 煮るなら手羽元・焼くなら手羽先。売り場でのパックの選び方も 鶏肉

「手羽元と手羽先が並んでいるけど、何が違うの? 今夜の煮物にはどっちを買えばいい?」

棚の前で、そんなふうに迷ったことはありませんか?

答えはシンプルです。煮る料理なら手羽元、焼く料理なら手羽先を選んでください。手羽元は翼の付け根にあって身が多く、手羽先は先のほうにあって皮と脂が多い。この差が、そのまま向いている料理の差になります。

じつは売り場で、手羽元と手羽先の違いをお客様に聞かれたことはありません。みなさん、なんとなくで選んでいるのかもしれませんね。今日は、手羽中との関係も含めた部位の違いと、料理からの選び方をお話しします。後半では、売り場でのパックの選び方と、切ったときの血やにおいの不安にも答えます。

手羽元・手羽中・手羽先は「翼のどこか」で分かれる

手羽は、鶏の翼のお肉です。人の腕にたとえると、位置関係がすっきり分かります。

手羽元は、翼の付け根の部分です。人でいえば肩からひじまで、腕の上のほうにあたります。手羽先は、そこから先。ひじから指先までにあたり、まん中の平たい部分と、先っぽのとがった部分がつながっています。

手羽中は、手羽先から先っぽを切り落とした部分です。つまり手羽中は手羽先の一部で、別の場所のお肉ではありません。「手羽先と手羽中の違い」は、先っぽがついているかどうかの違いだと覚えておけば大丈夫です。

3つの部位の違いを、表にまとめました。

手羽元 手羽中 手羽先
翼のどこ 付け根(肩〜ひじ) 手羽先から先っぽを除いた部分 ひじから先(手羽中+先っぽ)
骨 太い1本 細い2本 細い2本
身と脂 身が多く、脂は少なめ 皮と脂が多い 皮と脂が多い
向く料理 煮込み・水炊き 焼く・揚げる 焼く・揚げる

手羽元は身が多く、味はあっさりしています。太い骨が1本だけなので手で持ちやすく、子どもでも食べやすい部位です。1本は50〜60gくらいで、重さの3割前後が骨になります。

手羽先は皮と脂が多いぶん、コクがあります。細い骨が2本並んでいて、身はその骨のまわりについている形です。手羽元より骨の割合がさらに多いので、1本あたりの食べられる身は少なめになります。

今夜の料理で選ぶなら、煮るなら手羽元・焼くなら手羽先

迷ったら、作る料理から決めてください。煮込みや鍋なら手羽元、こんがり焼くなら手羽先です。

手羽元が煮る料理に向いているのは、身が多くて食べごたえがあり、太い骨から煮汁に旨みが出るからです。水炊きなら、鶏ももと手羽元の組み合わせが定番。手羽元と手羽先のどちらがよく売れるかは日によって違いますが、鍋物用のお肉が動き出したこの時期は、手羽元がよく売れてきています。

水炊きに入れる手羽元の本数や、鶏ももとの組み合わせ方は、こちらの記事にまとめています。

→ 鍋に入れるお肉はどれ?豚・鶏のおすすめ部位と1人前は何グラムか

手羽先が焼く料理に向いているのは、皮と脂が多いからです。焼くと皮がパリッとして、脂のコクが出ます。

わが家では、手羽元は煮物や唐揚げに、手羽先はグリルで焼いています。グリルで焼いた手羽先、おいしいですよ。手羽元の唐揚げもおいしいのですが、骨があるぶん火が通るまでに時間がかかります。いつもの唐揚げの代わりというより、別の料理だと思って作るのがおすすめです。

唐揚げにどの鶏肉を使うか迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。

→ 唐揚げの鶏肉、スーパーで何を買う? 唐揚げ用パックと1枚もの、選び方と何グラムの目安

今夜の料理で選ぶなら、煮るなら手羽元・焼くなら手羽先
今夜の料理で選ぶなら、煮るなら手羽元・焼くなら手羽先

売り場では、身の「厚みとハリ」でパックを選ぶ

部位が決まったら、次はパック選びです。私が見ているのは、身の厚みとハリの2つだけ。手羽元でも手羽先でも、見るところは同じです。

手羽は骨の割合が多い部位なので、身のつき方で食べられる量が変わります。身が薄いと、煮ても焼いても「食べるところが少ないな」と感じやすくなります。

棚の前に立ったら、何パックか見比べてください。身が薄いパックや、表面にハリがなくよれている感じのパックは、私なら棚に戻します。身に厚みがあり、表面にハリがあってふっくらしたものをカゴに入れてください。

パックは身の厚みとハリを見る
パックは身の厚みとハリを見る

値段でいうと、売り場では手羽元のほうが手羽先より安いことが多いです。ただし値段を比べるときは、値札の「100gあたりの値段」に骨の重さも含まれていることを覚えておいてください。

手羽元なら重さの3割前後が骨なので、100gあたり78円の手羽元は、食べられる部分だけで考えると100円を超えるくらいになります。骨つきのお肉の値段の見方は、こちらでくわしく書いています。

→ お肉を安く買う方法。半額シールより「100gあたり」を見る

切ったら血が出た、においが気になるときの線引き

手羽元を切ったら、骨のまわりから赤いものが出てきた。骨のまわりが赤黒くて、ぎょっとした。そんな経験がある方もいると思います。

あの赤いものは、多くの場合、骨髄(骨の中のやわらかい組織)の色がにじみ出たものです。骨の内側にあるので、処理の段階では取り切れません。新しいお肉でも出ることがあるので、出てきただけなら慌てなくて大丈夫ですよ。

ただし、骨のまわりは火が通りにくい場所です。厚生労働省が示す加熱の目安は、中心温度75℃で1分以上です。煮る料理なら約15分煮てから、骨に沿って切り込みを入れ、身に赤みが残っていないか確かめてください。色は目安なので、迷ったらもう少し煮てください。

気になって水で洗い流したくなりますが、鶏肉は洗わないでください。洗った水と一緒に、菌がシンクのまわりに飛び散ってしまうからです。表面の汁は、キッチンペーパーで押さえるように拭き取ってください。

パックの底にたまる赤い汁については、こちらの記事でくわしく書いています。

→ お肉のドリップとは?パックの赤い汁は血じゃない。出たときの扱い方と選び方

においのほうは、種類で分けて考えてください。開けたときの鶏肉らしい生ぐささなら、汁を拭き取ったり下ごしらえをしたりすれば軽くなります。一方で、次のサインがひとつでも当てはまったら、加熱しても食べないでください。

  • 酸っぱいにおいがする
  • ツンと鼻をさすにおいがする
  • 表面がぬるっとしていて、糸を引く
  • 身が灰色や緑っぽく変色している

もったいなくても、迷ったら食べない。これがいちばん確実です。食べていいにおいと食べないにおいの分け方は、鶏むね肉の記事でくわしく紹介しています。手羽元や手羽先でも、考え方は同じです。

→ 鶏むね肉が臭いのは腐ってる? 食べていい臭いの見分け方と、売り場で臭みを避ける選び方

まとめ

  • 手羽元は翼の付け根で身が多く、手羽先は先のほうで皮と脂が多い。手羽中は、手羽先から先っぽを除いた部分
  • 煮物や水炊きなら手羽元、グリルや塩焼きなら手羽先を選ぶ
  • 売り場では何パックか見比べて、身に厚みとハリがあるものを選ぶ
  • 骨のまわりの赤いものは骨髄の色。ただし酸っぱいにおい・ぬめり・変色があれば食べない

部位の違いがわかれば、「なんとなく」ではなく、今夜の料理に合うほうを選べるようになります。

まずは次の買い物で、作る料理を決めてから手羽の棚の前に立ってみてください。そして何パックか見比べて、身に厚みとハリがあるものをカゴに入れてみてくださいね。

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スーパーの精肉部門で働いています。毎日売り場でお肉を見て、切って、並べています。いつものスーパー・いつもの予算で、ちょっとおいしいお肉を選ぶコツを書いています。
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