鶏むね肉が臭いのは腐ってる? 食べていい臭いの見分け方と、売り場で臭みを避ける選び方

鶏むね肉が臭いのは腐ってる? 食べていい臭いの見分け方と、売り場で臭みを避ける選び方 鶏肉

「鶏むね肉のパックを開けたら、なんだかムワッと臭う……。これって腐ってる? 食べても大丈夫?」

多くの場合、そのにおいは鶏肉そのもののにおいや、パックに出た汁(ドリップ)のにおいです。拭き取りや下ごしらえで抑えられるので、心配しすぎなくて大丈夫ですよ。

ただし、酸っぱいにおいやツンと鼻をさすにおいがする、表面にぬめりがある。このどれかひとつでも当てはまるなら話は別です。それは傷んでいるサインなので、加熱しても食べないでください。

そしてもうひとつ。臭みの出にくい鶏むね肉は、買うときに見分けられます。売り場で見るのは「ドリップの量」と「身の色」の2つだけ。今日は、鶏肉にもともとある臭いと食べない臭いの分け方、売り場での選び方、家でできる臭み取りを順番にお話しします。

その臭い、食べていい? まず2つに分けましょう

鶏むね肉が臭うとき、確かめるのはにおいの「種類」と「手ざわり」です。においが強いか弱いかより、どんなにおいなのかのほうが大事になります。

鶏肉にもともとある臭いは、鶏肉らしい生ぐさいにおいです。 鶏肉はもともと、脂やドリップからにおいが出やすいお肉。パックの中にこもっていたにおいが、開けた瞬間に一気に来るので強く感じます。数分おいてからもう一度かいでみて、生ぐささだけなら、鶏肉にもともとある臭いのことが多いです。ただし、においだけでは安全かどうかは分かりません。消費期限と保存のしかたも確かめてください。この生ぐささは、このあとお話しする選び方と下ごしらえで減らせます。

食べない臭いは、はっきり違います。 次のサインがひとつでも当てはまったら、加熱しても食べないでください。

  • 酸っぱいにおいがする
  • アンモニアのような、ツンと鼻をさすにおいがする
  • 表面がぬるっとしていて、指を離すと糸を引く
  • 身が灰色や緑っぽく変色している

「焼けば大丈夫かな」と思いたくなるところですが、菌の中には加熱しても消えない毒素をつくるものがいます。火を通しても安全にはならないので、もったいなくても処分してください。

迷ったときは食べない。これがいちばん確実です。買ったその日にパックを開けて様子がおかしかったら、レシートを持って買ったお店に相談してみてください。

傷んだお肉のサインや、パックの赤い汁の正体については、こちらの記事でくわしく書いています。

→ お肉のドリップとは?パックの赤い汁は血じゃない

臭みの出にくい鶏むね肉は「ドリップの量」と「身の色」で選ぶ

家での臭み取りより手前に、もっと効くことがあります。そもそも臭みの出にくいパックを選ぶことです。私が鶏むね肉を選ぶときに見るのは、ドリップの量と身の色の2つだけです。

1つ目:パックの底のドリップの量

棚の前に立ったら、まずパックを軽く傾けて、底に汁が溜まっていないか見てください。

ドリップは、お肉の中からにじみ出た水分です。時間がたったり、温度が上がり下がりしたりすると、少しずつ出てきます。このドリップがパックの中に溜まったままだと、においのもとになりやすい。汁が多いパックほど、開けたときに臭みを感じやすくなります。

私の基準はシンプルです。汁がパックの角に少し溜まる程度ならOK。底一面に広がっていたら、そっと棚に戻します。お肉の下に敷いてある白いシートがうっすら色づいているのは、シートが汁を吸って仕事をしている証拠なので、気にしなくて大丈夫です。

2つ目:身の色とハリ

次に、身の色を見てください。選ぶのは、透明感のあるきれいなピンク色の鶏むね肉です。

鶏むね肉は時間がたつにつれて透明感が抜け、白っぽく濁ったり、くすんだ色になったりしていきます。同じ棚の中で何パックか見比べると、色の差は意外とはっきりわかるものです。

色と一緒に見てほしいのが、身のハリです。ハリとは、身がぴんと張っていて、指で押したら押し返してきそうな弾力のこと。私は、白っぽいものと、ハリがないものは選びません。迷ったら、ツヤがあってピンク色がはっきりしているほうをカゴに入れてください。

臭みの出にくいパックの選び方
臭みの出にくいパックの選び方

鶏むね肉の選び方は、こちらの記事でもくわしく紹介しています。臭みを避けたい方も、ジューシーに仕上げたい方も、見るポイントは同じです。

→ 精肉のプロは鶏むね肉をこう選ぶ。しっとり仕上げる下ごしらえ付き

家でできる臭み取りは3つ

選び方に気をつけても、少し臭みが気になる日はあります。そんな日は、下ごしらえで抑えましょう。どれも家にあるものでできます。

1つ目は、ドリップを拭き取ること。 買ってきたら、パックに出ている汁を捨てて、お肉の表面をキッチンペーパーで押さえるように拭いてください。においのもとになる汁を取り除くだけで、臭みはぐっと軽くなります。保存する前にやっておくのがおすすめです。

ここでひとつ注意があります。鶏肉を水で洗うのはやめておきましょう。洗った水と一緒に、菌がシンクのまわりに飛び散ってしまうからです。汁は洗い流さず、拭き取ってください。

買ってきてすぐの保存のしかたは、こちらの記事にまとめています。

→ 買ってきたお肉、パックのまま保存はダメ?最初の10分の3ステップ

2つ目は、黄色い脂を取ること。 鶏むね肉の皮をめくると、皮と身のあいだに黄色っぽい脂がついていることがあります。この脂はにおいが出やすい部分なので、包丁の先かキッチンバサミで取り除いてください。皮なしの鶏むね肉なら、身のふちに残っている脂を見る程度で十分です。

3つ目は、塩か酒をふって、出てきた水分を拭くこと。 下ごしらえのときに塩か酒を全体にふって、10分ほど置いてください。表面に水分がにじんできたら、キッチンペーパーで拭き取ります。臭みはこの水分と一緒に抜けるので、拭き取るところまでがセットです。

ゆでたり煮たりする料理なら、熱湯にさっとくぐらせて表面の色が変わったら引き上げる「湯通し」でも臭みが抜けます。

どの方法を使った場合でも、鶏肉は中心まで火を通してください。目安は中心部が75℃で1分以上(厚生労働省)。切ってみて、中心まで白く色が変わっているかも見て、迷ったらもう少し火を通してください。

臭み取りとは別の話ですが、鍋に使うときのひと工夫をひとつ。私は鍋物に鶏むね肉を入れるとき、片栗粉をつけています。お肉が柔らかくなり、鍋の汁にも少しとろみがつく。この仕上がりが私の好みです。

鶏むね肉の臭み取りは3つ
鶏むね肉の臭み取りは3つ

まとめ

  • 生ぐさいだけなら下ごしらえで減らせる。酸っぱい・ツンとくる・ぬめり・変色があれば加熱しても食べない
  • 売り場では、底の汁が角に少したまる程度のパックを選び、白っぽいものやハリのないものは避ける
  • 家ではドリップを拭き、黄色い脂を取り、塩か酒をふって出た水分を拭く

臭いの正体がわかれば、「これ大丈夫かな」と不安を抱えたまま料理しなくてよくなります。

まずは次の買い物で、鶏むね肉のパックを軽く傾けて、底の汁と身の色、ハリを見てみてください。

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スーパーの精肉部門で働いています。毎日売り場でお肉を見て、切って、並べています。いつものスーパー・いつもの予算で、ちょっとおいしいお肉を選ぶコツを書いています。
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