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「すき焼きがしたい。でも、すき焼き用のお肉は高くて手が出ない」
そんなふうに、売り場の前で迷ったことはありませんか?
じつは、すき焼きは「すき焼き用」と書かれたパックでなくても作れます。
私も売り場で「すき焼きを安く済ませたいんだけど」と聞かれることがあります。そのとき決まっておすすめしているお肉があります。
国産の牛肉の切り落としで、1枚1枚が大きいパックを選んでください。この記事では、売り場で迷わずそのパックを手に取れるように、選び方を順番にお話しします。
すき焼きを安く済ませたいなら「国産牛の切り落とし」
すき焼き用のパックより手に取りやすく、それでいてすき焼きの鍋にちゃんと合う。それが国産の牛肉の切り落としです。
切り落としは「形がそろっていないだけ」のお肉
切り落としは、きれいな形に整えるときに出る部分を集めたお肉です。形や大きさがそろっていないぶん、すき焼き用のように1枚ずつきれいに並べたパックより、値段が控えめになりやすいです。
形がそろっていないと聞くと、少し不安になるかもしれません。でも、鍋に入れて割り下で煮てしまえば、形の違いはほとんど気になりません。見た目をそろえる必要がない料理だからこそ、切り落としが活きます。
切り落とし全般の見分け方(色の見方など)は、こちらの記事でくわしくまとめています。
すき焼き用との違いは「厚み」と「並べ方」
すき焼き用のパックは、決まった厚みで薄く切りそろえて、1枚ずつ広げて並べてあります。値段は部位の違いでも変わりますが、この手間がかかっているぶんもあります。ちなみに、すき焼き用としゃぶしゃぶ用の違いは、じつは厚みだけなんです。
つまり「すき焼き用でなければダメ」ということはありません。安く済ませたい日は、切り落としで十分ですよ。
ふるさと納税の返礼品にも、国産牛の切り落としはよく並んでいます。寄付の枠が残っているなら、すき焼き用に返礼品の切り落としを選ぶ手もあります。返礼品の選び方はふるさと納税のお肉、失敗しない選び方にまとめています。
国産をすすめる理由
国産をすすめるのは、私が個人的に、輸入の牛肉は少し臭みが出やすいと感じているからです。自分がそれを苦手に思っているので、お客様にも国産をおすすめしています。
とはいえ、これはあくまで中の人の好みです。輸入の牛肉が気にならない方は、そちらを選んでもまったく問題ありません。ご家庭の好みで決めてくださいね。
国産と輸入の違いそのものは、こちらの記事で整理しています。
売り場では「版の大きいパック」を選ぶ
国産牛の切り落としにたどり着いたら、次はパック選びです。ここで見てほしいのが、お肉の「版(はん)」です。
版というのは、お肉1枚1枚の大きさ、広げたときの面積のことです。売り場の言葉ですが、「1枚がどれくらい大きいか」と思ってもらえれば大丈夫です。

棚の前では、まず1枚の大きさだけ見てください
切り落としの棚の前に立ったら、パックの表面に見えているお肉の大きさだけ見てください。見るところはそれだけで、シンプルです。表面が全体的に小さいパックは、中も全体的に小さいことが多いので、表面に大きめのお肉が並んでいるパックをカゴに入れてください。
版の大きいパックをすすめるのは、すき焼きらしさが出やすいからです。大きめのお肉を溶き卵にくぐらせて食べる、あのすき焼きの楽しさに近づけます。
正直に言うと、この大きさの感覚は、実際にお肉を切っている中の人だから分かるところもあります。迷ったら、売り場の精肉担当に声をかけてみてください。私も、お客様と一緒に選べるときは一緒に選んでいます。
小さい版が混じっていても、慌てなくて大丈夫
表面で大きさを見て選べば、全体が小さいパックはまず避けられます。それでも、ひとつ正直にお伝えしておきます。版の大きいパックを選んでも、中には版の小さいお肉も混じっています。
切り落としは、もともと形のそろわない部分を集めたお肉なので、大きさが1枚ずつ違うのは避けられません。私も売り場でこのパックをすすめるときは、「小さいのも混じっていますよ」とお客様にお伝えしています。
家でパックを開けて小さいお肉が出てきても、選び方を失敗したわけではありません。小さい版はお豆腐やねぎと一緒に煮る用、大きい版は卵にくぐらせて食べる用、と使い分けるのもひとつの手です。どちらも同じ牛肉なので、無駄になるところはありませんよ。
安いお肉が硬くなるのは「そういうもの」と割り切っていい
安いお肉ですき焼きをすると、どうしても硬いところが出てきます。ここは期待させすぎないように、率直にお話しします。
中の人も、特別な工夫はしていません
じつは私自身、安いお肉が硬くなることについて、特別な工夫はしていません。「そういうもの」と割り切って、そのまま調理しています。秘伝のワザを期待した方には、少し拍子抜けかもしれません。
割り切れるようになったのは、仕事でお肉を切ってきたからです。実際に切っていると、包丁の入り方でお肉の柔らかさが分かってくるようになります。その経験から、安いお肉の硬さは調理の失敗ではなく、お肉そのものの性質だと思えるようになりました。
ですから、すき焼きで硬いところが出ても、あなたの選び方や作り方が悪かったわけではありません。安心してくださいね。
一般的に言われている「硬くなりにくい」ポイント
とはいえ、少しでも硬さを抑えたい方もいると思います。ここからは私の体験ではなく、一般的に言われている方法です。
牛肉は、火を入れすぎると縮んで硬くなりやすいとされています。すき焼きなら、次の2つを意識してみてください。
- お肉は最後のほうに入れて、色が変わって中まで火が通ったら早めに食べる
- 一度にたくさん入れず、食べる分ずつ鍋に広げる
どちらも道具はいりません。気になる方は、次のすき焼きで試してみましょう。
高いお肉なら正解、とも限りません
「やっぱり高いお肉のほうがいいのかな」と迷う方もいるかもしれません。ただ、値段が高いお肉ほど、脂の多い霜降りになっていることがあります。霜降りのすき焼きは、人によっては途中で重たく感じることもあります。
等級の意味と、A5が脂っこく感じる理由は、こちらの記事で紹介しています。

まとめ
- すき焼きを安く済ませたいなら、国産の牛肉の切り落としで十分
- パックは、お肉1枚1枚の大きさ(版)が大きいものを選ぶ
- 小さい版が混じっているのは切り落としの性質なので、慌てなくていい
- 硬いところが出るのは「そういうもの」。気になる方は火を入れすぎないことだけ意識する
すき焼きは、特別な日のごちそうというイメージがあるかもしれません。でも、切り落としを選べば、いつもの週末の夕ごはんにも気軽に登場させられます。
次の買い物では、切り落としの棚の前でパックを上から眺めて、いちばん1枚が大きそうなパックを選んでみてください。
切り落としを選ぶときの色の見方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
アイキャッチの写真:Coralt Zou / Unsplash


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